ニデック株は9月28日、前週末比500円安(約18%安)の2340円でストップ安となりました。きっかけは「不正会計に関連して約1兆円規模の減損を計上する」「取締役会が岸田光哉社長の解任を決めた」という報道です。会社は「現時点で決定した事実はない」とコメントしています。市場が売ったのは損失の大きさそのものより、損失がどこまで膨らむか見えない不透明さです。
ニデック株ストップ安──9月28日に何が起きたか
東京市場でニデック株は売り気配に張り付き、値幅制限の下限まで下げました。ダイヤモンド・オンラインが、2026年3月期に約1兆円規模の減損損失を計上する方針で、9月25日の取締役会で岸田社長の解任を決議したと報じたことが引き金です。同社は、役員の異動や大規模な減損処理を検討しているものの、現時点で決定した事実はないと説明しています。(Bloomberg/Yahoo!ニュース)
ニデックの減損は2500億円から1兆円へ──4倍の衝撃
数字の変化が、今回の下げを大きくしました。3月に公表された第三者委員会の調査報告の段階では、車載事業を中心に約2500億円の減損の可能性が示されていました。報道どおりなら、その約4倍に膨らむことになります。
ニデックは2025年10月、監査意見の不表明や内部統制の不備を理由に、東証から特別注意銘柄に指定されています。9月にはグループで844件の品質関連の不適切行為も公表しました。会計、品質、経営体制の3つが同時に揺れている状態です。(STOCK EXPRESS)
ニデック株で市場が見ているのは「底」ではなく「見通し」
一般に、巨額の減損は会計上の損失で、現金がすぐに出ていくわけではありません。それでも株価がストップ安まで売られたのは、損失の総額が確定していないうえに、誰が経営を担うのかも決まっていないからです。投資家は悪い数字には耐えられても、数字が出るたびに増える状況には耐えられません。
加えて、今回の情報は会社の正式発表ではなく報道が先に出ました。会社自身が「決定した事実はない」としている以上、1兆円という数字も確定値ではありません。確定前の数字で株価が2割近く動いたこと自体が、会社の情報開示への信頼が揺らいでいることの表れです。
もう一つの焦点が、特別注意銘柄の指定解除です。報道によると、同社は内部統制の確認書類を10月31日までに提出することを目指しています。減損の確定、経営体制の決定、内部統制の報告の3つがいつ、どの順番で出てくるかで、株価の方向は大きく変わります。
ニデック問題が日本株全体に投げかけるもの
ニデックは、創業者が一代で世界的なモーター企業に育てた、日本の製造業を代表する存在でした。その企業で会計と品質の問題が重なった事実は、ガバナンスの点検がまだ十分でない企業が残っていることを示しています。
今回の件から読み取れるのは、市場は企業に「正直な悪い知らせ」を求めているということです。損失の大きさより、全体像を一度で示せるかどうかが問われています。10月末に向けた会社の正式発表が、その答えになります。
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本記事は情報提供を目的としており、投資判断はご自身の責任で行ってください。
参照ソース(噂の出どころ)
ニデック株ストップ安、不正会計で1兆円規模の減損損失を計上と報道(Bloomberg/Yahoo!ニュース・26/09/28)
なぜ、ニデックの株価が急落したのか?「1兆円規模の減損」と社長解任報道に揺れる市場(STOCK EXPRESS・26/09/28)





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