39年半ぶりの水準に沈んだ円
2026年の為替市場で、円は歴史的な弱さを見せている。ドル円は一時162円台まで下落し、これは1986年12月以来、およそ39年半ぶりの円安水準にあたる。「円相場が一時162円台に下落し、39年半ぶりの水準となった」と報じられ、7月末には日米が協調して円を買い支える介入にまで踏み込んだ。それでも流れは大きく変わっていない。日本株が最高値圏を走り、金価格も高値を更新するなかで、通貨だけが取り残されるように売られ続けている。(日本経済新聞/26/07)
金利差という「重力」
円がここまで売られる最大の理由は、日米の金利差だ。米経済は底堅く、FRBは急いで利下げする必要がない。一方の日銀は、利上げを進めれば住宅ローンや中小企業の資金繰りに響くため、ペースを上げにくい立場にある。「日銀利上げペース加速観測」で一時的に下げ幅を縮める場面はあっても、根っこにある金利差が縮まらない限り、円を売ってドルを持つ動きは止まりにくい。高い金利のお金に資金が吸い寄せられるのは、いわば重力のようなもので、掛け声だけで逆らえるものではない。(外為どっとコム/26/08)
介入は「時間稼ぎ」にすぎない
7月末の協調介入は円安の上限を一時的に抑える効果を持った。だが介入はあくまで時間稼ぎであり、金利差という根本を変えるものではない。過去も、介入で振れた相場は数週間から数カ月で元のトレンドに戻ることが多かった。外貨準備を取り崩して自国通貨を買い支える手法には限界があり、市場もそれを見透かしている。介入で相場が反転したように見えても、金利差が開いたままなら、遠からず円は再び売られる。効くのは方向を変える力ではなく、下落の速度を鈍らせる力だと考えたほうが実態に近い。
円安は「悪」なのか
円安は輸入品や光熱費を押し上げ、家計には確かに重い。一方で、輸出企業の採算を改善し、訪日客の消費を押し上げ、日本株高の一因にもなっている。つまり円安は単純な悪ではなく、日本経済の立ち位置を映す鏡だ。問題は水準そのものよりも、金利を上げにくい財政・景気の構造から抜け出せていない点にある。162円という数字に一喜一憂するより、なぜ日本だけが金利を上げられないのかを見たほうがいい。円の弱さは、日本経済が抱える課題の裏返しにほかならない。
参照ソース(噂の出どころ)
円相場、一時162円台に下落 39年半ぶり水準(日本経済新聞、26/07)
ドル/円の8月見通し 円買い介入の影響残るもカギはドルの動き(外為どっとコム、26/08)





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