最高値更新が「危うい」に聞こえなくなってきた

日経平均株価は8月10日、前日比1363円高の6万6970円で取引を終えた。米雇用統計の弱含みで早期利上げ観測が後退し、AI・半導体関連への買いが相場を押し上げた形だ。数カ月前まで、株価が最高値を更新するたびに「バブルではないか」「実感が伴わない」という声が必ず付いてきた。ところがこの夏、その警戒感がやや弱まっている。理由ははっきりしている。企業の決算が、上がった株価に数字で追いついてきたからだ。(日本経済新聞)

株高を支えているのは期待ではなく「営業益2倍」

相場を牽引しているのはAIと半導体の企業群だ。ソフトバンクグループを除いても、これらの分野は2026年度に営業利益をおよそ倍増させると見込まれている。株価が先に走り、あとから利益が付いてくる展開はしばしば危険信号だが、いまは順序が逆に近い。データセンター投資の急拡大という実需が、半導体各社の受注と利益を実際に膨らませている。株価収益率で見た割高感が意外に和らいでいるのは、分子の株価だけでなく分母の利益がしっかり伸びているからだ。「実感なき株高」という決まり文句が、少なくとも企業業績の面では当てはまりにくくなっている。

証券会社が年末見通しを引き上げた意味

強気の見通しも相次ぐ。野村證券は2026年末の日経平均予想を6万8000円へ上方修正し、AI・半導体企業の好業績を反映させたと説明している。プロが強気を口にするときほど天井が近いという経験則もあるが、今回の引き上げは希望的観測ではなく決算数字に紐づいている点が従来と異なる。見るべきは株価の高さそのものではなく、その高さを企業の稼ぐ力が裏付けているかどうかだ。(野村ウェルスタイル)

それでも死角は「一極集中」にある

ただし手放しで楽観はできない。相場の上昇がAI・半導体という一本の柱にほぼ依存している以上、この分野の設備投資が一巡した瞬間に、支えを失う危うさは残る。8月6日には半導体株の一角が反落し、前日の急伸分を吐き出す場面もあった。決算が株価に追いついたという安心感は、裏を返せば「次の決算でも同じ勢いが続くのか」という問いを常に突きつけられる状態でもある。最高値は割高ではない、という言い分が成り立つのは業績が伸び続ける限りにおいてだ。投資家が今見るべきは株価の桁ではなく、AI投資という一本柱がいつまで太り続けられるかという一点に尽きる。

参照ソース(情報の出どころ)

日経平均株価リアルタイムチャート(日本経済新聞) 26/08

日経平均株価見通しを2026年末68,000円に上方修正(NOMURAウェルスタイル) 26/08

日経平均 大引け 3日ぶり反落(株探ニュース) 26/08/06

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