VAIOの13.3型モバイルノート「VAIO T」が、9月下旬から店頭に並び始めた。画面の裏側にヒンジを持つ「マルチフリップ機構」で、ノートPC、タブレット、相手に画面を見せるビューモードの3つの形に変わる。この機構の復活は約10年ぶりだ。価格はVAIOストアのカスタマイズモデルが37万4000円から。高価で万人向けではないが、「形を変えられること」を性能や軽さと同じ価値として売り直す、VAIOらしい挑戦になっている。

VAIO Tの価格と発売日

VAIOは9月10日、個人向けの「VAIO T」と法人向けの「VAIO T work」を発表した。受注は9月18日に始まり、家電量販店のノジマでは9月22日に発売された。VAIOストアのカスタマイズモデルが37万4000円から、ノジマ店頭の標準仕様モデルはメモリー16GB版が43万7800円、32GB版が52万5800円だ。(CNET Japan)13.3型のモバイルノートとしては、はっきり高い価格帯だ。安さや性能の比較で選ばれる製品ではなく、変形機構に価値を感じる人に向けた一台と言える。

VAIO Tのマルチフリップ機構とは

VAIO Tは、画面の裏側の中央にヒンジがあり、画面の上部を外側に倒すと、そのまま回転して向きが変わる。画面はマグネットで固定され、レバーやラッチを操作せずに形を変えられる。一般的な360度回転するヒンジとの違いは、机に置いたまま変形できることだ。ノートPCの状態から画面だけを向かい側の相手に向けるビューモードは、商談や接客で資料を見せる場面で生きる。キーボードを裏返して持つ360度型より、使う場面がはっきりしている。

VAIO Tのスペックと割り切り

画面は2560×1600ドットの13.3型WQXGAでタッチ操作に対応し、CPUはCore Ultra 5 325やCore Ultra 7 356Hを選べる。PCIe 5.0対応のSSDを積み、バッテリーは動画再生で約12時間もつ。大きさは幅312mm、奥行き224.6mm、厚さ14.6〜19.6mmで、重さは1.2kg台だ。(価格.com)一方で、ペン入力には対応せず、タブレットの形ではAIノイズキャンセリングが使えない。タブレットに変形できても、メモやイラスト用の端末として作られているわけではない点は理解しておきたい。

VAIOがフリップ機構を10年ぶりに復活させた理由

マルチフリップ機構は、2013年のVAIO Fitシリーズや2016年のVAIO Zのフリップモデルで採用されていた。ノジマのグループに入ったVAIOは、店頭で客から「これは面白い」という反応が出たことを受け、タッチ操作やAIが当たり前になった今なら「ようやく時代が機構に追いついた」として開発を決めた。開発本部長の林薫氏は、失敗を恐れずに挑戦するノジマの文化が後押しになったと説明している。(マイナビニュース)VAIO Tは、既存製品の派生にとらわれない新しい「VAIO Next」シリーズの第1弾でもある。

VAIO Tは「人と画面を共有する」ための一台

ノートPCの差別化は、CPUの性能や軽さでは年々難しくなっている。どのメーカーも同じようなチップを積み、1kg前後のモバイルノートは珍しくない。その中でVAIOが選んだのは、形で違いを出すという道だ。VAIO Tの価値は、一人で作業するためより、目の前の相手に画面を見せる場面で発揮される。対面で説明する仕事が多い人にとっては、40万円前後の価格にも理由がある。逆に、一人で文章や表計算をするだけなら、この機構にお金を払う意味は薄い。VAIO Tは、使い方がはっきりした人ほど満足度が上がる、割り切った製品だ。

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参照ソース(噂の出どころ)

VAIO、画面を裏返してタブレットに変わる13.3型「VAIO T」発表–フリップ機構が10年ぶりに復活(CNET Japan/26/09/10)

VAIO、マルチフリップ機構を採用した13.3型モバイルPC「VAIO T」(価格.com/26/09/10)

VAIOがマルチフリップ機構の「VAIO T」で再び3スタイルPCに挑戦する理由(マイナビニュース/26/09/12)

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