ユニクロの9月の国内既存店売上高(EC含む)は前年同月比10.8%増と、2か月ぶりにプラスへ戻りました。ただし客数は0.5%減で、伸びを支えたのは11.3%増の客単価です。10月8日のファーストリテイリング通期決算では、過去最高益の見通しを確認できるかに加え、この「客数が増えない成長」をどう説明するかが焦点になります。
ユニクロ9月の既存店は10.8%増、客数は0.5%減
9月の国内ユニクロ事業は、既存店とECの合計で売上高10.8%増、客数0.5%減、客単価11.3%増でした。直営店とECの合計でも売上高は9.9%増です。気温の低下で秋冬商品が好調に推移し、天候不順で夏物が伸びず既存店売上が1.3%減だった8月から大きく持ち直しました。(流通ニュース)
売れ筋は、多品種を展開したカジュアルなアウターに加え、ニットやワイドパンツだったと報じられています。(日本経済新聞)
客単価頼みの伸びは何を意味するか
単価の高い防寒衣料が早く動けば、客単価が上がるのは自然な流れです。その意味で9月の数字は天候に助けられた面が大きく、ブランドの集客力が一段上がった証拠とまでは言えません。一方で、値上げ局面でも客数がほぼ横ばいを保った点は評価できます。客が離れずに単価だけが上がっている状態は、価格への抵抗感がまだ限定的であることを示しています。
気になるのは、8月から9月への振れ幅です。8月は夏物の不振で1.3%減、9月は秋冬物の好調で10.8%増と、国内の月次は気温に大きく左右されています。商品力そのものより季節の巡り合わせで数字が動く状態では、毎月の発表に一喜一憂しても投資判断の材料にはなりにくく、数か月単位の客数の推移を追うほうが実態をつかめます。
ファーストリテイリング決算は10月8日、通期予想は営業利益7,300億円
ファーストリテイリングは7月9日の第3四半期決算で通期予想を上方修正しました。2026年8月期は売上収益3兆9,700億円(前期比16.7%増)、事業利益7,100億円(同28.8%増)、営業利益7,300億円(同29.4%増)を見込み、年間配当は640円を予定しています。第3四半期累計の売上収益は3兆651億円(前年同期比17.1%増)でした。(ファーストリテイリング)
通期決算の発表は10月8日に予定されています。(ファーストリテイリング IRカレンダー) 株価は10月2日終値で7万1,770円、前日比980円安でした。(株予報Pro)
10月8日にファストリで見るべき3つの数字
一つ目は、通期実績が修正後予想の営業利益7,300億円に届いたかどうか。二つ目は、成長の主役である海外ユニクロ事業の伸び率。三つ目が2027年8月期の会社予想で、ここに国内の客数をどう織り込むかに会社の自信が表れます。
9月の月次は、新年度のスタートとしては十分な数字です。ただし天候で押し上げた単価の伸びは、暖冬になれば簡単に剥がれます。決算で注目すべきは、過去最高益という見出しよりも、国内で客数を増やす具体策が語られるかどうかです。
国内は成熟市場で、出店余地も限られます。売上を伸ばす手段が単価に偏るほど、景気の冷え込みや天候不順への耐性は下がります。海外の成長が続くうちに、国内で来店頻度を上げる仕掛けを示せるかが、次の1年の株価評価を左右するはずです。
本記事は情報提供を目的としており、投資判断はご自身の責任で行ってください。
あわせて読みたい:コストコ決算は既存店9.4%増──関税還付0.15ドルを除いても強い客数と株価43倍の重さ
参照ソース(噂の出どころ)
流通ニュース「ユニクロ/9月既存店売上10.8%増、秋冬物が好調」(26/10/02)
日本経済新聞「ユニクロ、9月国内売上高11%増 防寒着など秋冬物好調」(26/10/02)
ファーストリテイリング「2026年8月期 第3四半期決算サマリー」(26/07/09)





コメントを残す