2023年以来の節目を、市場は無視できない
2026年9月、世界の投資家が神経をとがらせる数字が動いた。米国の長期金利、10年国債利回りである。9月14日、この利回りが一時5%を突破し、2023年10月以来の高水準に達した。5%という水準は、単なるキリのいい数字ではない。株式より安全とされる米国債が5%の利回りを約束するなら、リスクを取ってまで株を持つ理由が薄れる。だからこそ多くの投資家が、これを株式市場への心理的な節目とみなす。実際、10年債利回りは一時5.014%まで上昇し、投資家が株式市場への脅威とみなす重要な水準を超えたと報じられた。(ダイヤモンド/WSJ/26/09)
金利を押し上げているのは「インフレの再燃」
今回の金利上昇の背景には、収まったはずのインフレ懸念の再燃がある。原油価格の急騰が新たな物価上昇のショックへの警戒を強め、金利に上昇圧力をかけた。米政権が国債市場の安定を図る動きを見せても、上昇の流れは止められなかった。金利上昇が続けば、資金が高利回りの債券へ流れ、株式から離れる可能性がある。市場では、この5%突破を前にFRBへの重圧が強まっているとの見方が出ている。(Bloomberg/26/09/13) 一部では、近い将来に利回りが6%まで上昇する可能性を指摘する声もある。
本当に危ういのは、割高なAI・ハイテク株
金利上昇が最も重くのしかかるのは、将来の成長を先取りして買われてきたハイテク株、とりわけAI・半導体関連だ。金利が上がると、遠い将来の利益を今の価値に割り引く計算は不利になり、高い株価が正当化されにくくなる。相場の関心は「夢の大きさ」から「今どれだけ稼げるか」へと移り始めている。米金利5%突破を受け、AI株の収益力をあらためて問う相場に入ったとの指摘もある。(日本インタビュ新聞/26/09)
日本株にとっての壁は、海の向こうにある
日銀の利上げばかりが注目されがちだが、日本株の上値を抑える壁は、実は太平洋の向こうにある。米金利が高止まりすれば、割高感の強い銘柄には調整圧力がかかり、円相場も揺れる。日経平均が高値圏を保てるかどうかは、国内要因以上に米長期金利の行方にかかっている。株高の前提が「低い金利」だった時代が終わりつつある今、投資家が見るべきは日々の値動きよりも、5%という新しい基準に相場が耐えられるかどうかだ。
参照ソース(引用の出どころ)
米10年債利回り5%突破、ウォール街は新時代の到来を予感(ダイヤモンド/WSJ PickUp/26/09)
米10年国債利回り5%目前、市場と経済に新たなリスク-FRBに重圧(Bloomberg/26/09/13)
米10年債5%突破、FOMCで利上げ観測、AI株の収益力を問う相場へ(日本インタビュ新聞/26/09)





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