「史上最長の5日間」を、台風がぶった斬った

今年の東京ゲームショウは、ちょっと特別なはずだった。TGS2026は9月17日から21日までの5日間開催。これは史上初の会期で、30周年の節目にふさわしい「史上最長、遊びづくしの5DAYS」がテーマだった。ところが、その記念すべき最終日を台風がまるごと持っていってしまった。

9月21日に予定されていた幕張メッセでのリアル開催は、台風25号の接近を受けて安全最優先の判断で終日中止。せっかくの5日間興行は、結果として4日間で幕を閉じた。目玉のはずの最終日が消えたのだから、これはなかなかの事件だ。(ファミ通.com 26/09/21)

規模は過去最大、なのに来場者は前年割れ

ここで数字を並べると、面白いねじれが見えてくる。4日間のリアル会場の総来場者数は25万7642人。実は前年のTGS2025が26万3101人だったので、5459人ほど減っている。史上初の5日間に挑んで、最終日が飛んだとはいえ、来場者数だけ見れば前年割れというわけだ。

ところが出展規模はまったく逆で、53の国と地域から1138もの企業・団体が集まり、これは過去最多。しかもビジネス商談の件数は3673件で、こちらも過去最多を記録した。会場に来た人は減ったのに、出展した会社と商談の数は最多。この矛盾こそ、今のTGSを読み解く鍵だ。(日経クロストレンド 26/09/21)

TGSの主役は、もう「来場者」ではないのかもしれない

なぜ来場者が減っても出展社が過去最多なのか。理由はシンプルで、ゲーム会社にとってのTGSの価値が、一般客を集める「お祭り」から、世界とつながる「商談と発信の場」へ移っているからだ。試遊列に何万人並ぼうが、企業が本当に欲しいのは海外パブリッシャーとの契約であり、配信で世界に届く発表枠である。

考えてみれば、いまや発表内容はその場にいなくても配信で全部見られる。わざわざ幕張の人混みに突撃しなくても、家のソファで最新トレーラーを最速でチェックできる。来場者数がじわりと減るのは、TGSの魅力が落ちたからではなく、体験の届き方が変わったからだ。現地に来る意味が「情報を得ること」から「その熱をその場で浴びること」へ純化しつつある。

来場最少・出展最多が示す新しいゲームショウ像

だから今回の4日間を「台風にやられた不運な回」とだけ片づけるのはもったいない。来場者は最少級でも出展社と商談は最多という組み合わせは、TGSがイベントとしての性格を静かに変えた証拠だ。人を数で集めて盛り上げるショーから、業界を世界につなぐハブへ。TGSの重心は確実にそちらへ寄っている。

ちなみに次回のTGS2027は、2027年9月16日から20日までの開催が予定されている。今年果たせなかった5日間を、来年こそ完全な形で走り切れるか。台風にリベンジする一年になりそうだ。数字の増減に一喜一憂するより、どんな出展社がどんな商談を持ち込むか。これからのゲームショウは、その裏側にこそ本番がある。

参照ソース(噂の出どころ)

東京ゲームショウ2026、総来場者数は25万7642人。台風25号の影響で5日目は中止、4日間開催に(ファミ通.com, 26/09/21)

史上最大規模のゲームショウ、出展者数は計1138で最多に(日経クロストレンド, 26/09/21)

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