40年ぶり安値で切られたカード
2026年夏、為替市場が歴史的な局面を迎えた。7月下旬にドル円は一時1ドル=164円近くまで進み、約40年ぶりの円安水準に達していた。ここで政府・日銀、そして米当局が動く。「日米両政府が7月31日の外国為替市場で円買いの協調介入を実施したことが分かり、協調介入は2011年以来15年ぶりとなった。(日本経済新聞)」単独ではなく、日米がそろって円を買った点に、今回の重みがある。
「15年ぶり」と「28年ぶり」の二重の異例
協調介入そのものは震災直後の2011年以来だが、方向を見るとさらに珍しい。「円買い局面での協調介入は、アジア通貨危機を受けた1998年以来、28年ぶりとなる。(時事通信)」円を“売って”円安を抑える介入は近年何度もあったが、日米が足並みをそろえて円を“買う”のは四半世紀ぶりの異常事態だ。
規模も大きい。日本側は約6兆円規模を投じ、米財務省はユーロ売り・円買いのかたちで参加したと報じられた。介入前に162円台後半だった相場は「一時157円台前半まで急伸した。(時事通信)」
今、アメリカまで動いた事情
ここが今回の核心だ。通常、通貨安は輸出に有利で、円安は日本が一方的に困る話になりがちだった。だが今回は米国が円買いに回った。背景には、行き過ぎた円安がドル高を通じて米国のインフレや通商摩擦に跳ね返る構図がある。「日米は円安・ドル高阻止へ思惑が一致し、3日に共同声明で調整に入った。(日本経済新聞)」つまり円安は、もはや日本だけの問題ではなくなった。
裏を返せば、単独介入では止められないほど円安の圧力が強かったということでもある。1国では抗しきれず、28年ぶりに“共闘”を選んだ。ここに相場の深刻さが表れている。
介入は「底」ではなく「時間稼ぎ」
気をつけたいのは、協調介入があっても相場がすぐ反転するとは限らない点だ。実際、157円台まで戻したあと再び160円超へ振れる荒い値動きが続いた。財務省はさらなる協調介入もちゅうちょしないと踏み込んだが、為替の方向を最終的に決めるのは金利差だ。日米の金融政策が動かない限り、介入は円安の勢いを削ぐ“時間稼ぎ”にとどまる。
相場の潮目をどう読むか
今回の協調介入は、円安トレンドの終わりを告げる号砲ではない。むしろ「単独では止められない領域に入った」という危機の可視化だ。投資家が見るべきは介入の有無ではなく、日米の金利差が縮む兆しと、共同声明が政策協調にまで踏み込むかどうかである。28年ぶりのカードを切った以上、当局は簡単には引けない。次の焦点は8月3日の声明の中身であり、そこに“口先”以上の具体策が伴うかどうかが、潮目を分ける。ここを見極めずに介入の一報だけで飛びつくのは危うい。
参照ソース(噂の出どころ)
日米が15年ぶり協調介入、円安阻止で思惑一致 3日に共同声明で調整(26/08・日本経済新聞)
日米、円買い協調介入か 28年ぶり、円安阻止へ異例の連携(26/08・時事通信)





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