少女時代テヨンが、日本のヒット曲を韓国語で歌う

K-POPと日本の音楽の関係が、これまでとは逆向きに動き始めた。少女時代のテヨンが、日本でメガヒットを記録したtuki.の「晩餐歌」を韓国語でリメイクし、6月29日に各種音源プラットフォームで公開する。「これは日本のヒット曲や隠れた名曲を韓国を代表するアーティストが新たに解釈する『J-POP REMAKE』プロジェクトの第1弾で、テヨンがその第1走者を務める。(Kstyle、26/06/24)」韓国の曲を日本がカバーするのではなく、日本の曲を韓国トップ歌手が歌い直す。この向きの逆転にこそ、業界の変化が表れている。

象徴的なのはミュージックビデオの配役だ。「MVの主人公には、ガールズグループRESCENEのリーダー・ウォニと、ギャルキャラで話題を集めた日本出身メンバーのミナミが起用されている。(RBB TODAY、26/06/25)」韓国の楽曲制作、日本のヒット曲、日本出身アイドルという三層が、一本の映像に同居している。

なぜ今、日本の曲を「逆輸入」するのか

かつて日韓の音楽交流は、日本の曲を韓国アーティストがカバーする時代から、K-POPが日本へ進出し市場を席巻する時代へと進んだ。その流れがいま、もう一周している。背景にあるのは、日本の音楽市場がK-POP勢にとって依然として世界最大級の収益源であり続けているという現実だ。日本のリスナーに刺さる確実な入口として、彼らがすでに愛着を持つJ-POPの名曲を韓国語で差し出す――これは新規ファン獲得の、極めて計算された一手である。

「晩餐歌」を選んだ点も巧みだ。SNS発で爆発的に広まり、世代を問わず認知された曲を韓国語で再構築すれば、原曲のファンが自然と耳を傾ける。ゼロから新曲を売り込むより、既に温まった土壌に種をまくほうが、はるかに効率がいい。

「文化翻訳」という建前と、市場開拓という本音

プロジェクト側は、この企画を単なるリメイクではなく、異なる言語と情緒を持つ音楽を新しい方式でつなぐ「文化翻訳」だと説明する。耳ざわりの良い理念だが、その裏にあるのは明確なビジネス戦略だ。日本のヒット曲という確実な需要に乗り、韓国アーティストの歌唱力で付加価値を足し、日本出身メンバーを前面に出して親近感を演出する。これは文化の橋渡しであると同時に、洗練された日本市場攻略のパッケージにほかならない。

一方で、冷ややかな見方もある。「仕掛け人が元日本人であることや、J-POPを韓国語で歌う企画自体に『今さら感』があるとの指摘も出ている。(スポーツソウル日本版、26/06)」かつて何度も試みられた手法の焼き直しではないか、という冷静な声だ。

主導権はどちらにあるのか

それでも、テヨンという第2世代を代表する実力派が第1走者に立った意味は重い。新人ではなく確固たる地位を築いた歌手が日本の曲を歌うことで、企画には「敬意」と「本気度」が宿る。K-POPが日本市場を、もはや進出する相手ではなく、深く耕すべき本拠地の一つとして扱い始めた証拠と言える。

注目すべきは、この流れで日本の楽曲とアーティストが「素材」として組み込まれていく構図だ。日本のヒット曲は世界に届く原石として再評価される一方、その価値を最大化して回収する主導権は韓国側が握っている。J-POPの名曲が国境を越えるほど、その果実を誰が手にするのか――テヨンの「晩餐歌」は、心地よいメロディーの裏で、その問いを静かに突きつけている。

参照ソース(噂の出どころ)

少女時代 テヨン「晩餐歌」を韓国語でリメイク!「J-POP REMAKE」プロジェクトの第1走者に(Kstyle、26/06/24)

韓国語でリメイクされるtuki.『晩餐歌』 MVには日本人K-POPアイドルが出演(RBB TODAY、26/06/25)

仕掛け人は元日本人 J-POPを韓国語で歌う企画は大丈夫か(スポーツソウル日本版、26/06)

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