最高値圏でさらに上を見るという異例の判断

日経平均が史上最高値圏で推移するなか、野村證券は2026年末の予想を68,000円へ上方修正した。通常、過去最高値を更新した相場では強気予想は引っ込むものだが、今回は逆に切り上がっている。背景にあるのはAI・半導体企業の業績だ。ソフトバンクグループを除くAI・半導体関連の経常利益は2026年度に倍増する見込みで、その上方修正の速さが指数全体を押し上げている。(NOMURA ウェルスタイル、26/06更新)

株価ではなく「利益」が動かしている相場

重要なのは、今回の強気が値動きの勢いではなく企業利益の実数に支えられている点だ。野村はAI・半導体企業のアナリスト予想を積み上げる形でトップダウンのEPS(1株当たり利益)を見直した。つまり「上がったから強気」ではなく「稼ぐから上がる」という順序になっている。データセンター投資の拡大が半導体需要を押し上げ、その恩恵が日本の製造装置・素材メーカーに回る構図が、見通しの土台になっている。(NOMURA ウェルスタイル、26/06更新)

上振れシナリオでは「8万円」も視野

野村は強気の上振れケースとして、2027年末にかけてTOPIX5,100、日経平均80,000円という水準まで提示している。数年前なら冗談に聞こえた数字が、いまは検討対象になった。これは日本株そのものへの再評価というより、世界的なAI投資の波に日本の半導体サプライチェーンが組み込まれた結果だ。日本株は「AIインフラ銘柄の集合体」として買われている側面が強い。(NOMURA ウェルスタイル、26/06更新)

強気の裏に潜む「一本足」というもろさ

ただし、この強気はそのまま弱点でもある。指数を押し上げているのが一握りのAI・半導体関連に偏っているため、相場の重心がきわめて高い場所に集中している。米半導体株が急落すれば日本株も大きく振らされる構造で、実際に米ハイテクの調整局面では日経も大幅安に振れている。利益が本物である一方、その利益源が狭いことが、最高値圏の相場が抱える最大のリスクだ。(NOMURA ウェルスタイル、26/06更新)

強気予想を「鵜呑み」にしないための視点

68,000円という数字は、AI・半導体の業績拡大が続くことを前提にした到達点であって、約束された未来ではない。前提が崩れれば数字も崩れる。個人投資家が見るべきは指数の高さそのものではなく、その高さを支える企業利益が本当に伸び続けるかどうかだ。AI投資の循環が回り続ける限り強気は正当化される。回転が鈍った瞬間に、最も高い場所に立っていた相場が最も大きく転ぶ。強気と危うさは、いま同じコインの裏表にある。

参照ソース(噂の出どころ)

日経平均株価見通しを2026年末68,000円に上方修正(NOMURA ウェルスタイル)
上振れシナリオでは2026年末に7万円台突破へ(NOMURA ウェルスタイル)
日経平均株価、史上初の65,000円台(NOMURA ウェルスタイル)
米半導体株急落で日本株大幅安(NOMURA ウェルスタイル)

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