AIがメモリを根こそぎ奪っていく
2026年、パソコンとスマートフォンの買い手にとって、厳しい季節が続いている。原因はAIだ。生成AIの爆発的な普及でデータセンター向けサーバー需要が急騰し、DRAMの大手各社は先端プロセスと新規の生産能力の多くを、利益率の高いサーバー用途へ振り向けている。その結果、PC、スマホ、ゲーム機、デジタル家電といった「サーバー以外」の市場に回るメモリの供給が、構造的に絞られているのだ。AIの繁栄の裏で、身近なデバイスがメモリを奪われているという皮肉な構図である。(セミコンポータル、26/02/10)
値上げは「最大2割」、しかも中身は同じ
影響はすでに価格に表れている。スマートフォンの部材コストはメモリ高騰により10〜25%上昇し、メモリ価格は第2四半期までにさらに40%上がる可能性が指摘されている。ノートPCやスマホは最大20%、ゲーム機ですら最大10%の値上がりが見込まれる。怖いのは、性能が上がったわけでも新機能が付いたわけでもないのに、ただメモリが高いという理由だけで製品価格が押し上げられる点だ。消費者は「中身が同じものを高く買わされる」局面に立たされている。
「業界はパニック状態」という当事者の本音
事態の深刻さは、当事者の言葉が物語る。中国最大の半導体受託製造メーカーのCEOは、メモリ不足について「業界はパニック状態」と率直に吐露した。需要が供給を大幅に上回る逼迫は、DRAMとNAND双方で起きており、これは一時的な品薄ではなく構造的な不足だ。新しい工場が本格稼働し、供給が需要に追いつくのは、早くても2027年後半から2028年頃と見られている。つまり、あと1年半から2年は「冬」が続く計算になる。(GIGAZINE、26/02/12)
賢い買い方は「今、必要な分だけ」
この環境で消費者が取るべき態度は明快だ。値下がりを待っても、当面その日は来ない。必要なら今買い、不要なら無理に最新スペックを追わない。メモリ増設前提の構成を避け、用途に対して過不足ないモデルを選ぶことが、結果的に最も無駄のない選択になる。AIデータセンターがメモリを吸い上げ続ける限り、PCとスマホの「安くなる日」は2028年まで遠い。値上げを嘆くより、いつ・何を買うかを冷静に見極める目こそが、いまユーザーに問われている。
参照ソース(噂の出どころ)
仰天!メモリ価格が2026年第1四半期に予想外の前期比倍増(セミコンポータル、26/02/10)
メモリ不足問題について「業界はパニック状態」と中国最大の半導体メーカーCEOが吐露(GIGAZINE、26/02/12)





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