「変動なら安心」という前提が崩れた

日銀が31年ぶりの利上げに踏み切り、政策金利が1%台に乗ったことで、住宅ローンの世界は静かに様変わりした。長く続いた超低金利のあいだ、変動金利を選んでおけば固定より得という考えは半ば常識だった。だがその常識は、金利が動かないことを前提にしていた。実際、金利上昇局面での住宅ローンと資産運用の組み立て直しを促す解説が、この6月に相次いで出ている。「変動金利が上がったらどうするか」を初めて真剣に考える人が、いま急増している。(ファイナンシャルフィールド、26/06/20)

慌てて繰り上げ返済すると損をする理由

金利が上がると、手元資金を一気に繰り上げ返済に回したくなる。だがここに落とし穴がある。繰り上げ返済は確実に利息を減らす一方で、使えるお金、つまり流動性を手放す行為でもある。住宅ローン控除が残っている期間なら、返済を急ぐより控除を取り切ったほうが得になるケースは多い。新NISAなどで年3〜4%の運用が見込めるなら、1%台のローンを慌てて潰すより、運用に回したほうが家計全体では有利になりうる。金利の数字だけを見て反応するのが、最も危うい。

本当に効くのは「変動金利の人」だけ

注意すべきは、繰り上げ返済の効果が大きいのは、これから利払いが膨らむ変動金利の借り手だという点だ。すでに低い固定金利で借りている人は、無理に返す必要はほとんどない。自分のローンが変動か固定か、控除はあと何年残っているか、手元にどれだけ流動性を残すべきか。この三つを並べて初めて、繰り上げるべきかどうかが見えてくる。

金利が動く時代の家計は「順番」で決まる

金利上昇は不安をあおるが、やるべきことは単純だ。生活防衛資金を確保し、変動金利の利払い増を見積もり、控除と運用利回りと天秤にかける。その順番を守れば、繰り上げ返済は焦って選ぶ手段ではなく、数字で判断する選択肢になる。金利が動く時代に勝つのは、最も早く動いた人ではなく、最も冷静に順番を間違えなかった人だ。

参照ソース(噂の出どころ)

住宅ローン変動金利上昇時の資産運用に関する解説(ファイナンシャルフィールド)(26/06/20)

金利上昇局面の家計と資産形成に関する記事(LIMO)(26/06/20)

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