スマートグラス市場が、いよいよ本格的な多極化に入る。GoogleとSamsungが共同開発するGemini搭載スマートグラス「Intelligent Eyewear」が、2026年秋に登場する。Qualcommも加わり、Android XRを基盤に音声ナビや実時間翻訳をハンズフリーで行えるという。(HelenTech)(26/05)。スマホの次に来る端末をめぐる主導権争いが、いよいよ顔の上で本格的に始まろうとしている。

狙いはMetaの“独走”を止めること

背景にあるのは、Ray-Ban Metaに代表されるMeta勢のスマートグラス市場での圧倒的なシェアだ。一説には8割超を握るとされ、後発のGoogle・Samsung連合はこの牙城を崩しにかかる。(ライフハッカー・ジャパン)(26/05/21)。ハードをSamsung、ソフトをGoogleが担う分業は、かつてAndroidがスマートフォン市場でAppleに対抗したときの構図とよく似ている。単独では届かない規模を、連合で取りにいく戦略だ。

「音声」から入る現実的な戦略

まず投入されるのは、ディスプレイ非搭載の「オーディオグラス」だ。長時間かけても疲れない見た目と装着感を重視し、Gentle MonsterやWarby Parkerといったファッションブランドと組む。(ケータイ Watch)(26/05)。いきなり高機能なディスプレイ型で勝負せず、まず「かけたくなるメガネ」から普及を狙う設計は堅実だ。技術を詰め込むより、日常に溶け込む見た目を優先した判断と言える。価格や発売国はまだ明かされていない。派手な機能より、まず日常に馴染ませる──この順番を間違えなかったことが大きい。

Geminiが“顔の上のAI”になる

このグラスの本質は、AIアシスタントGeminiを常に身につけられる点にある。音声翻訳は相手の声色まで再現し、「Hey Google」で通話を始め、AndroidだけでなくiOSとも連携する。スマホを取り出してアプリを開くという一手間が消え、見たもの・聞いたものにそのままAIが応答する。AIをポケットの中ではなく顔に載せる──この距離の近さこそ、スマートグラスがスマホの次を狙える最大の根拠だ。

勝負どころはスペックではない

かつてのウェアラブル競争は性能の数値で語られた。だがスマートグラスの主戦場は、もはやスペックではなく「日常的にかけ続けられるか」へ移っている。どれだけ高機能でも、重く・ダサく・電池が持たなければ誰もかけない。だからこそ大手はこぞってファッションブランドと組み、装着感を磨く。技術力だけでなく、デザインと文化的な受容こそが普及の鍵を握るのだ。結局、技術自慢の製品より、毎朝かけたくなる一本が市場を制する。

2026年が“スマートグラス元年”になる

Meta、Google・Samsung連合、そして参入をうかがうAppleと、役者は出そろった。2026年秋、スマートグラスは一部の好事家の道具から、普通の人が選ぶ製品へと変わり始める。スマホがそうだったように、最初に「かけたくなる一本」を出した陣営が市場を握る。Intelligent Eyewearの登場は、その号砲だと見るべきだ。出遅れたかに見えるGoogle連合の挑戦が、市場全体を一気に成熟へと押し上げる。

参照ソース(噂の出どころ)

HelenTech「GoogleとSamsungがスマートグラスを正式発表」(26/05)
ライフハッカー・ジャパン「Googleがめっちゃカッコいいスマートグラスを発表」(26/05/21)
ケータイ Watch「Android XR搭載オーディオグラスが今秋後半に登場」(26/05)

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