世界PC大手のDell、HP、Lenovoが、相次いでPCの値上げに踏み切る姿勢を鮮明にしている。引き金はDRAM(メインメモリ)の歴史的な高騰と供給不足だ。PC Watchは「DRAM枯渇で大手3社が値上げラッシュへ」と報じ、メーカー自らが顧客へ異例の警告を出す事態になっている。これまで値下げが当たり前だったPC市場で、メーカーが公然と「上がる」と認めるのは極めて珍しい。安く高性能になり続けるという、長年の常識がいま揺らいでいる。(PC Watch 26/06)

メーカーが「悲鳴」を上げている

各社の言葉は危機感そのものだ。Dellの幹部は「メモリのコストが前例のないペースで上がっている」と述べ、最大15〜20%の値上げに言及した。Lenovoは「既存の見積もりは無効になる」と顧客へ通知し、早めの発注を強く勧めている。HPの首脳は「2026年後半は特に厳しくなる」と予測した。メモリは標準的なPC原価の15〜18%を占めるだけに、ここまで部材が高騰すれば価格転嫁は避けられない。値上げを売り手が先に予告するという順序自体が、供給の逼迫ぶりを物語っている。(GAZ:Log 26/06)

なぜDRAMはここまで枯れたのか

原因はAIだ。データセンター向けのHBM(高帯域メモリ)が爆発的に売れ、SamsungやSK Hynixが製造ラインを利益率の高いHBMへ振り向けた結果、通常のPC向けDRAMの供給が細った。同じ工場の生産枠をAI向けが食い尽くし、コンシューマー向けに回る分が減っているのだ。市況は「DRAMが前年比70%高、一部は170%上昇」とも伝えられ、AIの需要がそのままPCユーザーの財布を直撃する構図が鮮明になっている。(PC Watch 26/06)

影響はPCだけにとどまらない

メモリの逼迫はノートPCやデスクトップだけの話ではない。スマートフォンやタブレット、ゲーム機まで、DRAMやNANDを積むあらゆる機器が同じ供給網を奪い合っている。一部ではタブレットの値上げや、メモリ増量モデルの選択肢縮小も始まっており、「安いモデルから順に消える」動きが広がりかねない。AIサーバーが優先される限り、消費者向け機器は後回しにされ続ける構造的な不利を抱えている。

「今が底」とは限らない

厄介なのは、この値上げが一過性で終わらない可能性が高いことだ。契約価格の上昇が小売へ反映されるのは夏以降とされ、HBM増産が一段落する2026年後半まで価格が緩む保証はない。むしろ卸値の上昇が遅れて店頭に効いてくる分、これから本格的に高くなる局面とも言える。安く買えた時代は当面戻らないと見たほうがいい。PCの買い替えを考えているなら、性能の比較よりも「在庫と価格が動く前に動けるか」が判断の軸になる年だ。

参照ソース(噂の出どころ)

PC大手3社が悲鳴、DRAM枯渇で値上げラッシュへ(PC Watch, 26/06)
DellとLenovoがノートPCなどを年内に最大20%値上げへ。DRAM不足が原因(GAZ:Log, 26/06)
【特集】AI巡るメモリ争奪戦――2026年はPC、スマホに“冬”が到来(PC Watch, 26/06)

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