日経平均株価が2026年6月18日、終値で史上初めて7万円台に乗せた。前日比1,151円高の7万1,053円。6万円を付けた4月27日からわずか2カ月弱という、史上最速の大台替わりだった。「日銀会合の通過でリスクオンに傾いた」とされ、AI需要の成長期待が企業業績で裏付けられ始めたことが買いを支えた。1989年末のバブル最高値3万8,915円を抜いてから数年、日本株はかつての「失われた時代」が嘘のような上昇曲線を描いている。(日本経済新聞 26/06/18)

上げを作ったのは「ごく一部の銘柄」

記録的な数字の裏で、相場の中身は驚くほど偏っている。上昇を牽引したのは半導体やAI関連の主力株で、「AIを支える日本株に買いが集中した」結果の7万円だった。値がさの一部銘柄が指数を押し上げる構図は、指数全体が買われているように見えて、その実は数銘柄に資金が集中しているだけということを意味する。押し上げる銘柄が限られるほど、その数銘柄が崩れたときの下げも大きくなる。歴史的高値が、同時に歴史的な脆さを抱えているということだ。(日本経済新聞 26/06)

「最高値なのに好景気感がない」理由

株価は最速で記録を更新しているのに、街の実感は乏しい。原油高と円安が物価を押し上げ、賃金の伸びが追いつかないなかでは、株高の恩恵は株を持つ層に偏る。NISAで投資を始めた層が増えたとはいえ、資産の大半は依然として一部に集中しており、指数の上昇がそのまま家計の余裕には変わらない。資産を持つ者と持たざる者の差が広がる「資産効果の不在」こそ、7万円という数字が祝福一色にならない理由だ。数字の大きさと暮らしの実感が、これほど乖離した高値も珍しい。

「最速」は期待が先走った証でもある

6万円から7万円までの2カ月弱という速さは、好材料が出尽くしたというより、業績の裏付けを待たずに期待が膨らんだ結果と見るべきだ。AI関連の設備投資は世界的に続いているが、その投資がいつ利益として回収されるかはまだ見えていない。期待が先に値を作る相場は、期待が少しでも萎んだ瞬間に巻き戻しが起きやすい。上昇が速いほど、調整も速く深くなりうる。

7万円の先に待つもの

AI設備投資が一巡したとき、あるいは中東情勢や金利が逆風に変わったとき、一本足で立つ相場は脆い。7万円は通過点ではなく、「AI相場がどこまで業績で裏付けられるか」を市場が試す試金石だ。指数の数字だけを追えば強気一色に見えるが、支えている足の細さを見れば景色は変わる。数字の高さに酔うより、中身の細さを見ておく局面に入った。次の節目を語る前に、この7万円が誰の利益で立っているのかを確かめておきたい。

参照ソース(噂の出どころ)

日経平均最高値、一時初の7万円台 「日銀会合通過でリスクオン」(日本経済新聞, 26/06/18)
日経平均7万円、史上最速の大台替わり AIを支える日本株に買い(日本経済新聞, 26/06)

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