過去最大の円買い、それでも159円

2026年6月、日本の為替市場で異例の事態が続いている。財務省は直近1か月で過去最大となる11兆7,349億円もの円買い介入を実施した。にもかかわらず、ドル円は依然として1ドル159円台の歴史的円安圏に張り付いたままだ。「過去最大の円買い介入を実施したものの、依然として159円台の円安が継続している」と伝えられている。(おたからや/26/06/01) かつてなら数兆円規模の介入で相場は大きく振れた。それが今や、過去最大級の弾を撃ち込んでも数円すら戻せない。これは、もはや日本単独の力では円安を止められないことを意味している。通貨の番人であるはずの財務省と日銀が、自国通貨を守りきれない——その事実こそ、いま投資家が直視すべき現実だ。

犯人は「中東」と「原油」だ

背景にあるのは、2月末に勃発した米・イラン紛争である。決定的な終結に至らないまま、原油高が企業の輸送・生産コストを押し上げ、世界的なインフレ圧力を再燃させている。インフレが収まらなければ、FRBは利下げに踏み切れない。結果として日米の金利差は縮まらず、金利の高いドルに資金が吸い寄せられ続ける。つまり円安の本当の震源地は東京ではなく、ワシントンと中東にある。金利差が開いたままである限り、いくら円を買い支えても効果は一時的だ。介入は相場の流れを変える「解決策」ではなく、時間を稼ぐ「点滴」にすぎないのが現実である。しかも介入の原資となる外貨準備にも限りがある。撃てる弾の数がおおよそ見えている以上、投機筋はむしろ介入の一服を待って、再び円売りを仕掛けてくる。

株も暗号資産も「リスクオフ」

地政学リスクは為替だけでなく、株式や暗号資産にも重くのしかかっている。日経新聞は「テック株の影に沈むビットコイン、6万ドルも視野」と報じ、最高値12万ドル超を経験した暗号資産市場が、いまや半値圏で凍りついている。(日本経済新聞/26/06/03) リスク資産から逃げた資金が向かう先が、金(ゴールド)だ。国内小売価格は1g25,758円と高止まりし、「有事の金」が改めて買われている。日経平均もまた、中東発のインフレ警戒と金利上昇懸念に挟まれ、最高値圏で激しく乱高下を繰り返している。世界中のマネーが「安全な逃げ場」を求めてさまよっているのが、いまの相場の実像だ。

投資家が今、本当に見るべきもの

大切なのは、介入の「規模」に驚いて相場へ飛びつかないことだ。11兆円という数字はインパクトこそ大きいが、相場を動かしているのは日本ではなく、中東情勢と米国の金利の方である。円安・原油・金利という3つの歯車が同じ方向に回り続ける限り、円安も物価高も簡単には止まらない。逆に言えば、この3つのどれかが逆回転を始めた瞬間こそが本当の転換点だ。中東情勢の鎮静化か、米利下げの再開か——投資家が待つべきはそのシグナルだけである。介入の派手さに踊らされた者から損をする、それが2026年の相場の現実だ。規模の大きさは、必ずしも効き目の大きさを意味しない。

参照ソース(噂の出どころ)

【2026年6月】金価格は今後どうなる?相場に影響する要因や動向(おたからや)
テック株の影に沈むビットコイン 市場、6万ドルも視野(日本経済新聞)

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