9月15日から16日にかけて開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)が、久しぶりに「読めない会合」として身構えられている。利上げか据え置きか。そこに政治の圧力が絡むことで、単なる金融政策の話にとどまらなくなっている。

8月の物価指標が空気を変えた

流れを変えたのは物価だ。8月の消費者物価指数は、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアベースで前月比0.3%上昇し、基調的なインフレの上振れが鮮明になった。これを受けて市場の利上げ観測は一気に強まり、織り込みは一部で9割近くに達したと伝えられる。(日本経済新聞) 現在のFF金利の誘導目標は3.50〜3.75%。原油高と米長期金利の上昇も、引き締めを後押しする材料になっている。

トランプ政権の「利上げは裏切り」

ここに政治が覆いかぶさる。トランプ政権は金利の引き上げに強く反発し、利上げに踏み切れば「裏切り」だとの空気をにじませている。(日本経済新聞) 皮肉なのは、いま決断を迫られているウォーシュ議長が、ほかならぬトランプ政権下で選ばれた人物だという点だ。自ら起用した議長に対し、政権が公然と圧力をかける構図になっている。据え置けばインフレ軽視、利上げすれば政権との対立。どちらを選んでも代償が伴う。

市場が「独立性」にこだわる理由

なぜ投資家は中央銀行の独立性をこれほど気にするのか。答えはシンプルで、政治の都合で金利が動く国の通貨と国債は、長い目で信用を失うからだ。物価を抑えるべき局面で政権に忖度して金利を据え置けば、インフレ期待が定着し、結局は長期金利の上昇という形で跳ね返る。9月の会合は、利上げ確率が7割を超えるとの試算も出るなか、据え置きと引き上げのどちらもあり得る「ライブな会合」と位置づけられている。(財経新聞)

見るべきは0.25%の有無ではない

今回の焦点は、利上げ幅が0.25%あるかないかという数字そのものではない。政権の圧力に対して、中央銀行がどう答えるかという一点にある。ここで独立性を守り抜けるかどうかが、今後何年分もの円相場と日本株の前提を左右する。日本の長期金利も節目の3%に向けて水準を切り上げており、海の向こうの決断は他人事ではない。数字の大小ではなく、誰の意向で金利が決まったのかを読むべき局面である。

参照ソース(噂の出どころ)

米9月利上げ予想9割、決断迫られるウォーシュ氏 基調インフレ上振れ(26/09)(日本経済新聞)

9月FOMCに向け揺れるFRB トランプ政権「利上げなら裏切り」(26/09)(日本経済新聞)

原油高と米長期金利上昇続く、9月FOMCの利上げ確率71.6%へ(26/09/11)(財経新聞)

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