株価の話題の陰で、静かに、しかし決定的な数字が動いている。日本の長期金利、すなわち10年物国債の利回りが9月初めに一時2.955%まで上昇し、1996年9月以来およそ30年ぶりの高水準に達した。日経平均が6万円台後半という史上最高値圏にいることばかりが注目されがちだが、家計や企業にとって本当に効いてくるのは、この金利の復活のほうだ。長く「金利のない国」と言われた日本が、いよいよ「金利のある世界」へ足を踏み入れている。
利上げ観測が金利を押し上げている
金利上昇の直接の引き金は、日銀の追加利上げ観測である。市場は9月17日から18日の金融政策決定会合で、政策金利が現在の1.0%程度から1.25%程度へ引き上げられると織り込みつつある。長期金利が30年ぶりの水準に達したことは、日本の資産運用戦略に構造的な変化をもたらしている。(日本市場レポート) 実際、これまで海外の債券を買い続けてきた日本の投資家が国内債へ資金を戻す動きも出はじめ、対外債券投資は売り越しに転じている。金利がつく国内資産の魅力が、静かに戻ってきたということだ。
株高でも円高、という不思議のからくり
興味深いのは、株価が高値圏にありながら為替が円高方向へ振れている点だ。ドル円は一時156円台まで円高が進み、週間で2%を超える円の巻き戻しが起きた。長らく円安を演出してきた日米金利差が、日本側の利上げによって少しずつ縮む――その思惑が円を支えている。国内株が主役ではなく、実は商社や内需が相場を支えているとの指摘もある。(かぶざる) 数字の派手さに目を奪われるが、相場の底流では「金利が戻る」という一点に向けて資金が組み替えられている。
効いてくるのは株価より家計だ
金利の復活は、住宅ローン、預金、国債の利払いというかたちで、いずれ家計に直接降りてくる。変動金利で住宅ローンを組んだ世帯には返済増という逆風になり、預金者には久しぶりの利息という順風になる。国にとっては巨額の国債利払いが重くのしかかる。つまりこの局面で見るべきは、日々の株価の上下ではなく、「金利のある世界」で自分の資産と借金がどちらに転ぶかだ。長く続いたゼロ金利の常識が崩れる今こそ、変動金利の見直しと預金の置き場所を点検すべき時である。
参照ソース(噂の出どころ)
宮野宏樹「日本市場レポート 2026年9月7日」(26/09/07)
かぶざる「今日の日本株|日経平均4日続落、実は商社と内需が主役」(26/09/03)





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