下げ相場で商社株が逆行高になった
2026年9月初め、日本株は重い空気に包まれていた。世界的な金利上昇と米国株安が重なり、9月2日には日経平均が一時2000円近く急落、その後も続落する場面が続いた。ところがその流れのなかで、五大商社株は逆に買われる日があった。きっかけは、バークシャー・ハサウェイのグレッグ・アベルCEOが日本の商社への投資を長期で続ける方針をあらためて明言したことだ。「これはまさに長期投資であり、今後何十年にもわたって保有するつもりだ」とのことだ。(Bloomberg、26/09/02)
なぜ商社なのか、という問い
この投資が始まったのは2020年。判明から6年が経ったいまも、その妙味は色あせていない。三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、丸紅、住友商事——資源から食料、インフラ、金融までを束ねる総合商社は、単なる資源価格の代理ではない。景気の波を複数の事業でならし、潤沢なキャッシュを生み、増配と自社株買いで株主に報いてきた。ウォーレン・バフェット氏はかつて「今後50年は売却を考えないだろう」とまで語っている。腰の据わった配当と資本規律こそが、彼らが惚れ込む理由である。(日本経済新聞、26/08)
保有比率の上限を外したことの意味
見逃せないのは、バークシャーがかつて設けていた「各社10%未満」という保有上限を緩めたことだ。株主への手紙では、今後は保有比率が徐々に高まっていくとの意欲が示された。2025年末時点の議決権比率は三菱商事10.8%、三井物産10.4%、伊藤忠10.1%、丸紅9.8%、住友商事9.7%と、すでに一段上のステージに入っている。世界一の投資家が売らないどころか買い増す構えを見せる。この事実そのものが、日本株全体への強力な信任状として機能している。
短期の値動きより、誰が長く持つか
相場が荒れる局面ほど、投資家は毎日の株価に振り回される。だが商社株を長く保有し続ける海外の巨人が問うているのは、まったく別のことだ。景気が上下しても、増配を続けられる事業の厚みがあるか。株主の取り分を守る規律があるか。答えがイエスである限り、下げの日は買い場になる。見るべきは日々の上下ではなく、数十年の時間軸で選ばれ続ける企業の中身である。株安の日に商社だけが買われたのは、偶然ではない。
参照ソース(引用の出どころ)
バークシャーCEO、日本の5大商社へ「今後何十年も」投資続ける方針(Bloomberg、26/09/02)
商社株、「バフェット襲来」判明から6年 長期投資魅力は健在か(日本経済新聞、26/08)





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