2026年の前半、日本株は誰も止められない勢いだった。6月には日経平均が史上初めて7万円台に乗せ、証券各社は年末予想の上方修正を競った。ところが夏を越えた今、株価は6万6000円台へと静かに後退している。数字だけを追えば「調整」の一言で片づく動きだが、その内側では相場の“主役”が入れ替わり始めている。この夏の失速は、単なる過熱の反動ではない。
7万円をつけた相場が、なぜ6万6000円に戻ったのか
まず事実を確認しておきたい。6月には日経平均が一時7万円を突破し、6万9404円まで上昇。大和は「年末8万円」という強気の新予想を掲げ、市場心理は明らかに過熱していた。(日本経済新聞/26/06)だが9月1日の終値は6万6215円と、天井から約4000円下げた水準にある。(財経新聞/26/09/01)わずか数カ月での往復は、上げの多くが業績ではなく期待で買われていたことを示している。だからこそ、期待が一巡した途端に脆くなった。
「金利3%時代」がハイテク株の割高感を突く
下げの主因は海外要因だけではない。9月1日の東京市場では、投資家が「金利3%時代」に身構え、割安株物色との綱引きになったと伝えられている。(日本経済新聞/26/09/01)長期金利が3%に迫る局面では、将来の利益を先取りして買われてきた半導体やハイテクの割高感が真っ先に意識される。金利上昇は、成長株にとって最も効く逆風だ。デフレ脱却と賃上げという“良い金利上昇”の裏側で、これまで相場を牽引してきた主力株がその重さに耐えられなくなっている。
物色は成長株から割安株へ移り始めた
注目すべきは、資金が市場から逃げているのではなく、行き先を変えている点だ。半導体や主力株が売られる一方で、割安に放置されてきたバリュー株には買いが入っている。指数の上下という一枚の数字の裏で、成長株から割安株へという物色の重心移動が進んでいる。この構図は、金利がある世界が当たり前になったことの表れだ。ゼロ金利を前提に「将来性」だけで買えた時代は終わり、いま稼いでいるか、金利上昇に耐えられるか、という現実的な物差しが復権している。
指数の高さより、中身の入れ替わりを見よ
7万円という数字に一喜一憂する局面は過ぎた。これからの日本株で問われるのは「指数がいくらか」ではなく「何が買われ、何が売られているか」である。金利3%時代が定着すれば、AI・半導体一辺倒だった相場は、財務が堅く配当を出せる企業へと静かに主役を譲っていく。投資家が見るべきは日経平均の桁ではなく、自分の持ち株が“古い主役”と“新しい主役”のどちらに属するかだ。熱狂が冷めた今こそ、中身を選別する目が試される。
参照ソース
日経平均7万円、プロもまさかの急騰劇 大和は「年末8万円」新予想(日本経済新聞)/26/06
日経平均終値96円安、「金利3%時代」に身構え 割安株物色との綱引き(日本経済新聞)/26/09/01
日経平均大引け:前日比96.59円安の66215.34円(財経新聞)/26/09/01





コメントを残す