スマホの中身、つまり心臓部のチップは、これまでほとんどがクアルコムかアップル、あるいはメディアテック製だった。ところがその常識に、中国のXiaomiがまたひとつクサビを打ち込んだ。自社開発プロセッサ「Xring O3」を発表し、次の折りたたみスマホに載せてくるという。ベンチマークの数字も強烈で、これは単なる話題づくりではなく、スマホの勢力図を書き換えかねない一手だ。

いきなりフラッグシップ級の数字

まず驚くのがスペックだ。「AnTuTu522万点の独自プロセッサ『Xring O3』をXiaomiが発表し、幅広画面のXiaomi 18 Foldに搭載してiPhone Fold対抗を狙う」と報じられている。(Buzzap!/26/08)。AnTuTuで522万点というのは、現行の最上位スマホと並ぶ水準だ。自社チップというと性能が一段落ちるイメージがつきまとうが、Xring O3はいきなりトップグループに殴り込んできた。

しかも搭載先が、普及価格帯の機種ではなく最上位の折りたたみというのがポイントだ。Xiaomiは折りたたみでも「展開時のディスプレイはGalaxy Z Fold 8と同じ4:3のアスペクト比、約7.6インチになる」とされ、アップルの折りたたみを真っ向から意識している。(Buzzap!/26/08)。看板モデルに自前チップを載せる、という自信の表れだ。

なぜ、わざわざ自分でチップを作るのか

ここで湧く疑問はシンプルだ。クアルコムから優秀なチップを買えばいいのに、なぜ莫大な開発費をかけて自作するのか。答えは「独立」の二文字にある。チップを他社に握られている限り、供給や価格、機能の主導権はメーカー側に渡らない。米中の緊張で輸出規制のリスクもつきまとう。自社でチップを持てば、そうした外部依存から一気に自由になれる。

これはアップルが長年かけて歩んできた道でもある。CPUを内製化し、ハードとソフトを一体で設計することで、他社が真似できない体験を作ってきた。Xiaomiが狙っているのも同じ構図だ。チップ、OS、ハードを垂直統合し、部品の寄せ集めではない「自分たちだけのスマホ」を仕上げにきている。

脱クアルコムが勢力図を動かす

Xring O3が示すのは、中国メーカーが「組み立て屋」から「設計屋」へ脱皮しつつあるという現実だ。これまでスマホの性能差は、どのクアルコム製チップを積むかでほぼ決まっていた。だが主要メーカーが自前チップを持ち始めれば、その横並びが崩れる。差がつくのはチップの型番ではなく、各社がハードとソフトをどう作り込むかになる。

見るべきは522万点というスコアそのものではなく、その裏でチップの主導権がクアルコムからメーカー側へ移り始めている事実だ。安いスマホの代名詞だったXiaomiが、心臓部まで自分で作る会社に変わろうとしている。脱クアルコムの流れが本物なら、数年後のスマホ選びの基準は、いま思っているものとはだいぶ違う顔になっているはずだ。

参照ソース(噂の出どころ)

AnTuTu522万の独自プロセッサ「Xring O3」Xiaomiが発表、幅広画面のXiaomi 18 Foldに搭載でiPhone Fold対抗へ(Buzzap!)
Xiaomi「Galaxy Z Fold8対抗の折りたたみスマホ」発売へ、持ちやすさや高画質カメラ、光学ズームで差別化か(Buzzap!)

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