株安とビットコイン高が同じ週に起きた異常
本来、株が売られる局面ではリスク資産のビットコインも一緒に叩かれる、というのが長らくの相場観だった。だがこの8月、その常識が一週間だけ裏返った。ビットコインは8月19日から21日にかけて一気に約24%も急騰し、一時7万9400ドル台まで駆け上がった。同じ時期、米国株は高止まりする実質金利と原油高を嫌気して下落しており、両者はきれいに逆方向へ動いた。8月24日時点でも7万7000ドル台を維持している。株の逃避先という文脈すら超えて、暗号資産が独自の理屈で動いた週だったといえる。
引き金は財務省の一手と金利の低下
この急騰は、暗号資産界隈の熱狂だけで起きたわけではない。直接のきっかけは、米財務省が長期国債の買い戻し規模を拡大すると発表したことにある。これを受けて米長期金利が低下し、利息を生まないビットコインの相対的な妙味が高まった。「上昇のきっかけは米国の金利介入が大規模なショート清算を誘発したこと」だと分析されている。(CoinPost/26/08)。金利が下がれば、金利のつかない資産の見劣りが薄れる。金と同じ論理がビットコインにも働いた格好だ。
ETF流入とショート清算が押し上げを増幅した
金利という追い風に、需給の火薬が二つ重なった。ひとつはブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラストへの資金流入で、米国の現物ビットコインETFには「5営業日で約19億1800万ドルの純流入」があったとされる。もうひとつは30億ドルを超えるショートポジションの強制決済だ。下がると賭けていた売り方が損失覚悟で買い戻しに走り、上昇がさらなる上昇を呼んだ。(CoinOtaku/26/08)。制度マネーの厚みと、投機筋の踏み上げ。この二つが同時に効くと、価格は理屈以上に走る。
急騰の質はまだ「本物」と言い切れない
もっとも、この上げを手放しで歓迎するのは早い。短期保有者が年初来で最大級の利益確定に動いたとの指摘もあり、現物の実需は「中立」で、底打ちと判断するにはなお慎重さがいるという見方も出ている。(JinaCoin/26/08/24)。急騰の主因が財務省の一手と踏み上げにあるなら、金利の綱がゆるんだ瞬間に反動が来てもおかしくない。問うべきは7万9000ドルという数字そのものではなく、株と逆に動いたこの一週間が、暗号資産が独立した資産クラスへ育った証なのか、それとも一時的な需給の綾なのか、という点だ。株安の中で光った逆行高は、ビットコインの成熟を示す前触れかもしれないが、まだ答え合わせの途中にある。
参照ソース(噂の出どころ)
ビットコイン急騰、米国の金利介入が大規模ショート清算を誘発(CoinPost/26/08)/ビットコイン、急騰後は7万7000ドル台で膠着|ETF流入は5営業日で19億ドル(CoinOtaku/26/08)/今日の仮想通貨ニュース|機関勢は買い場と強気姿勢(JinaCoin/26/08/24)





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