戻り高値の裏で、視線は米国の山あいへ
日経平均株価は8月20日、前日比890円高の6万6216円で取引を終えた。決算発表が一巡し、業績拡大への期待が高いAI・半導体関連株が買われて指数を押し上げた形だ。プライム市場では年初来高値を更新した銘柄が58に達したという。(ゴールドオンライン/26/08/20)7万円台の大台回復も視界に入り、相場の地合いは強い。
だが、この強さを素直に喜ぶ空気は薄い。市場参加者の関心は、目先の株価よりも8月末に開かれる一つのイベントへ集まりつつある。米ワイオミング州で開かれる経済シンポジウム、通称「ジャクソンホール会議」だ。
ジャクソンホールが相場を止める理由
ジャクソンホール会議は8月27日から29日に開かれ、今年のテーマは「金融イノベーション:決済と政策への影響」とされる。(ファンダメンタルズFX/26/07)ここで注目されるのは、FRB議長による講演だ。過去、この場での議長発言は利下げ再開の号砲になったり、逆に市場の楽観を打ち消したりと、その後の金融政策の方向を占う羅針盤として機能してきた。
いまの日本株が7万円をうかがえているのは、米国の利下げ観測が背中を押しているからにほかならない。金利が下がれば株式に資金が向かいやすく、割高感も和らぐ。裏を返せば、議長が利下げに慎重な姿勢を示せば、この前提は一気に崩れかねない。相場が高値圏で足踏みするのは、その判定を待っているからだ。
「AI・半導体頼み」という死角
強気一色に見える相場には、無視できない偏りがある。ある市場分析は、割高意識が高まるAI・半導体関連株に売りが優勢となり、日経平均のトレンドが上昇から下降へ転換するかの「瀬戸際に直面」していると警告する。(財経新聞/26/08/20)指数を押し上げているのが一部の半導体銘柄に集中しているということは、その一角が崩れれば指数全体が支えを失うことも意味する。
実際、8月に入ってからの相場は上下に振れやすい。最高値を更新した翌日に大きく下げる日もあり、方向感は定まっていない。上げの主役が限られているほど、相場は外部要因に対して脆くなる。ジャクソンホールという「外」からの一言が、いまの日本株にとって過大なほどの重みを持ってしまう理由もここにある。
試されるのは業績相場の本物度
今回の株高は、企業が実際に稼ぐ力に裏打ちされた「業績相場」だとする見方が根強い。決算が株価に追いついたからこそ、割高感が和らいだという理屈だ。その通りだとすれば、多少の金融政策の変化では崩れないはずである。逆に、株高の中身が利下げ期待という「借り物の追い風」に過ぎないなら、ジャクソンホールで風向きが変わった瞬間にもろさが露呈する。
問われているのは、いまの高値が企業の実力なのか、外部環境の産物なのか、という一点だ。8月末の講演は、その答え合わせの場になる。円相場も1ドル=160円の節目を前に介入警戒が残り、株・為替ともに神経質な綱引きが続く。強い数字の裏で、相場は静かにその実力を試されている。
参照ソース
日経平均は890.37円高の「66,216.79円」で取引終了(ゴールドオンライン/26/08/20)





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