2026年6月2日、ビットコインは約7万1,765ドルから7万2,840ドル付近で推移していたが、同日午後に突如フラッシュクラッシュが発生。翌3日、4日と売りが止まらず、6月4日には一時6万1,655ドルに到達した。2025年10月の最高値12万6,200ドルから51%超の下落だ。なぜ今、これほどの崩落が起きたのか。引き金は複数の要因が最悪のタイミングで重なったことにある。
引き金を引いた「Strategyの禁断売却」
最も市場に衝撃を与えたのが、元MicroStrategy・現Strategyによるビットコイン売却だ。同社は保有総額約610億ドルに上るBTCを「絶対に売らない」という姿勢で知られてきた。しかし6月初旬、約250万ドル相当のBTCを売却したことが明らかになった。保有規模に対してわずかな額だが、「Strategyが売った」というニュースは市場全体の心理を揺さぶった。長年「売らない機関投資家の象徴」だった存在が動いたことで、他の長期ホルダーにも「今が売り時か」という疑念が広がった。(CryptoNews)
ETF流出とレバレッジ清算の「連鎖爆発」
5月最終週には米国のスポットビットコインETFから約7億ドルの純流出が発生。6月に入ってからも流出は続き、合計で約18億ドル規模に膨らんだ。さらに先物市場では、オープン・インタレスト・レバレッジ比率が2.63%に達し、2025年10月6日以来最高水準となっていた。つまり市場は「崩れやすい状態」で6月を迎えていた。6月2日の1時間だけで3億9,400万ドルのレバレッジポジションが強制清算され、24時間で10億ドル超、最終的な清算総額は18億ドルに達した。(CryptoBriefing)
長期ホルダーが「利益確定の一斉行動」に出た
通常は市場の安定要因とされる長期ホルダー(155日以上保有者)が、6月初頭だけで約24億ドルを売却した。2025年10月の最高値から51%下落した今でも、2024年以前に仕込んだ投資家は十分な利益を持っている。彼らにとって「6万ドル台」はまだ「売り場」だ。ETFの機関投資家も含め、多様な主体が同じ方向に動いたことが今回の下落を加速させた。(Euronews)
米イラン緊張とマクロ逆風が追い打ち
下落に追い打ちをかけたのが地政学リスクだ。米国とイランの緊張再燃がインフレ長期化への懸念を高め、FRBの利下げ期待を後退させた。ドル高・金利高が続く環境はビットコインにとって逆風で、リスク資産全般から資金が流出した。現在、市場では「6万ドル割れ確率80%」と見る向きも少なくない。10万ドルを経験した市場が61,000ドルを「安値」と見るか「まだ高い」と見るかは、投資家によって真っ二つに分かれている。
今回の「6月ショック」が示すのは、機関投資家化が進んだビットコイン市場の新しいリスク構造だ。かつては個人の感情的な売買で動いていた市場が、今はETFフローとレバレッジ清算という「システム的な連鎖」で動く。次の焦点はWWDC明けの米雇用統計と、Strategyが追加購入に動くかどうかだ。
参照ソース
Bitcoin crashed below $62,000. What happened – CryptoNews
Bitcoin falls below $64,000, triggers $1.1B in liquidations – CryptoBriefing
Bitcoin falls to $61,000, down more than 25% this month – Euronews





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