2026年6月1日、世界最大のビットコイン企業保有者であるStrategy(旧MicroStrategy)が、2022年12月以来初めてビットコインを売却したことが明らかになった。5月26日から31日の間に32BTCを処分し、平均77,135ドルで約250万ドルを調達した。843,706枚を抱える同社にとって32BTCは0.004%にすぎない。それでも市場はMSTR株を6%下落させた。(GuruFocus) なぜか。「売らない」という絶対的な宣言こそが、StrategyのBTC戦略の核心だったからだ。
「絶対売らない」が信頼の根拠だった
Michael Saylorが2020年に始めたBTC購入戦略の本質は、ビットコインを「企業の貸借対照表に乗せる唯一の健全な資産」と定義し、どんな状況でも売らないという宣言だった。この方針が機関投資家の信頼を集め、MSTR株はBTC連動証券として機能してきた。「Strategyを買う=レバレッジをかけてBTCを買う」という構図が成立していたのは、「絶対売らない」という約束があったからだ。
今回の売却は、STRC(優先株)の配当支払いという「義務的な売却」だった。(CoinGabbar) つまりSaylorは選択肢がなかった。BTC売却の目的が「利益確定」でも「リスク管理」でもなく「配当義務の履行」であるという事実は、Strategyのビジネスモデルが想定外の複雑性を帯びてきたことを示している。
BTCを担保に優先株を売り続けるモデルの矛盾
Strategyが開拓したモデルは今や多くの企業に模倣されている。しかし、大量のBTCを保有しながら複数の優先株(STRC・STRK・STRD・STRF)の配当を継続的に払うためには、BTCの価格が高い水準を維持し続けなければならない。BTC価格が77,000ドル付近で推移する現状では、その計算が少しずつ狂い始めている。(BeInCrypto)
「売らない」と宣言することで株式市場から信用と資金を調達し、その資金でBTCをさらに買う──この好循環がいつ逆転するかという問いに、市場は初めて正面から向き合った日となった。MSTR株の6%下落は「32BTCの売却」という事実への反応ではなく、「このモデルは本当に持続可能なのか」という疑念への反応だ。
ビットコインへの影響は軽微だが、問いは重い
BTC価格への直接的な影響は限定的だ。843,706枚のうち32枚の売却は誤差の範囲に過ぎない。しかし「絶対売らない企業が売った」という事実は、BTCの長期保有を前提とした企業戦略そのものへの根本的な問いかけになる。Strategyに倣ってBTCを積み上げてきた他の企業が、同様の配当プレッシャーに直面したとき、どう判断するかが次の焦点だ。6月のBTC市場が「77,000ドルの壁」をどう扱うか、引き続き注視したい。
参照ソース
MSTR Stock Declines 6% Following Bitcoin Sale Announcement – GuruFocus
MicroStrategy Bitcoin Sale: What the 32 BTC Move Means – CoinGabbar
MicroStrategy Sells Bitcoin For the First Time Since 2022 – BeInCrypto





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