GACKTの月9主演という「久しぶりの事件」
2026年5月23日、フジテレビが7月スタートの月9ドラマ「ブラックトリック〜裁きを操る弁護人〜」の主演にGACKTを起用すると発表した。GACKTが地上波連続ドラマで主演を務めるのはおよそ16年ぶりとなる。
「GACKTがテレビに出る」というだけで、今もなお一定規模のニュースになる。それはなぜか。GACKTという名前には、テレビが簡単には生み出せない種類の「記号性」が宿っているからだ。(Crank In!)
長期不在が生む「神話化」の力学
芸能界において、「よく見る人」と「たまにしか見られない人」では、注目度の重力が根本的に違う。バラエティやCMに頻繁に出演するタレントは親しみが生まれる一方、希少性は薄れる。GACKTはその正反対だ。
16年間、主演ドラマから遠ざかっていたことで、「今のGACKTはどんな芝居をするのか」という純粋な興味が無傷のまま蓄積されている。これは広告費では買えない種類の視聴動機だ。フジテレビがGACKTを選んだのは、単に話題性のためだけではなく、「見てみたい」という欲求を持つ層が確実に存在することを計算した上での判断だろう。
「弁護人」という役柄の選択も戦略的だ
「ブラックトリック〜裁きを操る弁護人〜」は法廷ミステリーというジャンルだ。「裁きを操る」という副題が示す通り、主人公はグレーゾーンの存在として描かれる。これはGACKTというキャラクターに絶妙にはまる設定だ。
GACKTの持つパブリックイメージは「謎めいた大物」だ。清廉な正義の弁護士よりも、規則の外側で動く切れ者の方がはるかに説得力がある。役柄とタレントのイメージの一致は、視聴者の没入感を高め、初回視聴率に直結する。
2026年夏ドラマは「温存してきた切り札」を切る季節だ
この夏は、GACKTだけでなく、VIVANT(堺雅人)の続編、GTOのリメイク(反町隆史)など、長期間「特別な存在」として温存されてきた顔が一気に地上波に戻ってくる。
これはテレビ局の意図的な「資産の棚卸し」だ。Netflix・Amazon・TVerと競争する中で、地上波テレビが持てる最後の切り札は「このタレントをこの番組でしか見られない」という独自性の演出だ。GACKTの月9起用は、その戦略の中で最も象徴的な一手と言える。ブランク期間が長ければ長いほど、復帰時の引力は大きい。テレビはその法則をまだ信じている。




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