RAMageddonとは何か

Computex 2026(6月2〜5日、台北)の直前、PC業界が静かに騒いでいるのが「RAMageddon」という言葉だ。AIサーバー向けのHBM(高帯域幅メモリ)需要が爆発したことで、LPDDR5X・DDR5といった一般向けPCメモリの生産ラインが圧迫され、供給が逼迫している現象を指す。

AIを動かすためのメモリを作るために、普通のPCユーザーのメモリが値上がりする——こんな理不尽な構図が2026年のPC市場を悩ませている。Computex 2026は、業界がこの問題にどう答えるかを示す場でもある。(Tom’s Guide)

なぜAIがPCのメモリを値上げさせるのか

HBMを製造できるのはSK Hynix・Samsung・Micronの3社に限られる。SK HynixはNVIDIAのBlackwellシリーズ向けHBM3Eの独占供給に追われ、一般向けDDR5の生産ラインに人員と設備を割く余裕がない。Samsungも2026年5月に45,000人規模のストライキを経験し、生産能力に打撃を受けた。Micronは増産投資を発表しているが、新工場の立ち上げには2〜3年かかる。

つまり短期的にはPCメモリの供給不足と価格高騰が続く構造は変わらない。Copilot+ PCが要求するNPU搭載によるメモリ消費増大も価格圧力に拍車をかけている。

Computex 2026各社の「対策」の実態

業界各社はどう対処しているか。AMDはZen 5世代のAPUで、より少ないメモリ帯域幅でも高い性能を出せる効率化に注力している。IntelのPanther Lake(Core Series 300)は超省電力設計で「メモリ要求を下げる」方向性だ。

MediaTekは「ラジカルに新しいPC体験」をComputexでティーズしており、ARM系SoCとメモリ統合設計による低コスト化を示唆している。NVIDIAはARM系「Vera CPU」をサーバー向けに展開するが、一般PCのRAM問題への直接的な解決策ではない。(VideoCardz)

今PCを買うべきか、Computex後を待つべきか

現時点でPCの購入を検討しているユーザーへの正直な答えは「6月2日まで待て」だ。Computex 2026での発表が出れば、現行機種の価格が下がる可能性が高い。特にノートPC市場では、Computex発表後に旧世代モデルが一気にディスカウントされる傾向がある。

RAMageddonという嵐は、PCユーザーには迷惑極まりない現象だ。しかし見方を変えれば、「AIがここまで電力とメモリを必要とする現実」を突きつけている。このComputexが業界の本気の解決策を示せるか、それとも「待ちましょう」の繰り返しになるか。答えはあと数日で出る。

参照ソース(噂の出どころ)

What to expect at Computex 2026 – Tom’s Guide (26/05/23)
MediaTek teases radically new PC experiences at Computex 2026 – VideoCardz

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