増収増益、それでも20%解雇──矛盾の論理
2026年5月7日、Cloudflareは創業16年で初めての大規模レイオフを発表した。カットされる人数は全社員の20%、約1,100人。驚くのはそのタイミングだ。同社の2026年第1四半期売上は6億3,980万ドル(前年比+34%)と過去最高を更新したばかりだった。売上が史上最高でも、1,000人以上がクビになる。これがAI時代の「新しい経営」の形だ。とのことです。(TechCrunch、26/05/08)。
AI使用量が3ヶ月で600%増──社内で何が起きたのか
CEOのMatthew Prince氏が語った数字が衝撃的だ。過去3ヶ月でCloudflare社内のAI利用率は600%超増加した。その結果、一部のチームでは生産性が従来の2倍から100倍に達したという。「同じ仕事をAIでこなせるなら、同じ人数は要らない」──そのシンプルな論理が、1,100人の解雇を導いた。
注目すべきは解雇の対象だ。営業担当(売上クォータを持つ社員)は除外された。カットされたのは主にエンジニアリングやサポートなど、AIが代替しやすい業務だ。企業が「稼ぐ人間」を残して「作業する人間」を省く傾向は、今後の産業界全体に広がる可能性がある。とのことです。(The Register、26/05/08)。
「AIで仕事がなくなる」は本当に来た
これまで「AIが仕事を奪う」という議論は、やや先の話として扱われがちだった。しかしCloudflareの事例は、それがすでに現在進行形であることを証明している。同時期には、AI導入600%増でも業績を伸ばした企業が、同時に大量解雇を行うという構造が現実になった。
補足すれば、退職者の処遇は手厚い。基本給は2026年末まで全額保障、米国社員は12月31日まで医療保険も継続、株式は8月15日まで加速的にベストする。とのことです。(Personnel Today)。
「AI時代の雇用」に投資家は何を見るか
Cloudflareの株価はこのニュース後、短期的に上昇した。市場は「AI効率化→コスト削減→利益拡大」という論理を好意的に評価したためだ。投資家目線では「AI投資が実を結んだ」成功事例に映る。
だが働く側からすれば、好業績企業でさえ解雇が起きるという事実は重い。「AIを使いこなす側」でなければ生き残れない時代が、少なくとも一つの先進IT企業では現実となった。Cloudflareの決断は極端な事例ではなく、今後数年間の「企業の標準解」になるかもしれない。そのことを、増収増益の決算報告と同日に示した点に、このニュースの本質がある。
参照ソース
Cloudflare says AI made 1100 jobs obsolete, even as revenue hit a record high(TechCrunch、26/05/08)
Cloudflare to fire 1100 staff whose jobs just aren’t AI enough(The Register、26/05/08)
Cloudflare lays off 1100 workers as AI redundancies bite(Personnel Today)





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