29年ぶりの金利水準が「マンション購入の前提」を変えた
2026年5月、日本の長期金利(10年国債利回り)が1997年以来の高水準を記録した。日銀は2025年12月に政策金利を0.75%へと引き上げ、2026年4月の会合でもこれを維持した。これは1995年以来の高水準だ。(A-Realty Blog)これまで「超低金利」を前提にして組まれてきた東京のマンション購入計画が、今まさに根本から見直しを迫られている。変動金利型住宅ローンの金利は2年前の0.4〜0.6%から、2026年春には0.8〜1.0%へと倍増近くに上昇した。フラット35の最も一般的な金利も2026年1月に2.080%と、2017年以来初めて2%台に突入している。
金利1%上昇でローン返済額はどれほど変わるのか
東京23区の新築マンション平均価格は2026年3月時点で1億5,023万円に達した。(東急リバブル・LIVABLEタイムズ)例えばこのうち8,000万円を35年の変動金利ローンで借りた場合、金利が0.5%から1.5%に上昇すると月々の返済額は約17.5万円から約21.4万円へと約4万円増加する。年間では約48万円、35年では1,680万円の追加負担になる計算だ。「低金利だから手が届いた」という層にとって、この変化は購入判断の前提を根本から覆すインパクトを持つ。
価格はどこに向かうのか
金利上昇が続いても、都心部の不動産価格は急落しないという見方が専門家の間では多数派だ。その理由は「外国人投資家」と「相続税対策需要」の存在だ。円安局面では海外資金が東京の不動産に流入しやすく、需要の底が維持される。しかし一方で、変動金利でレバレッジをかけて複数の投資用物件を保有しているような層は、金利上昇でキャッシュフローが悪化し始めると売却を急ぐ可能性がある。その「売り圧力」が重なれば、価格が高原状態から調整局面に転じるシナリオはあり得る。
「売り時」を逃さないための考え方
現在の東京マンション市場で「売り時」を判断するなら、「まだ価格が高値圏にある今」という答えになる。2027年から2028年にかけて、固定金利型ローンの見直し時期を迎える物件が大量に出てくることが予想されている。その際、返済負担増に耐えられない保有者が売り物件を増やせば、市場価格に下押し圧力がかかる。今のうちに売却を検討することは、資産防衛の観点から合理的な選択肢だ。
「買い時」はあるのか──正直な2026年の答え
逆に「今が買い時か」と問われれば、答えは「実需かどうか」によって変わる。自分が住むための実需購入であれば、金利上昇を織り込んだ資金計画を立てた上で長期保有を前提に購入することは依然として合理的だ。ただし投資目的や短期転売を想定しているなら、現在の価格水準での購入はリスクが高い。金利上昇局面でのレバレッジ投資は、一度市場が動けば損失の拡大が速い。「まだ上がる」という楽観より、「金利という構造変化」を前提に判断する時代に入ったと認識すべきだろう。
参照ソース
Japan Mortgage Rates April 2026: Variable, Fixed & Flat 35(A-Realty Blog, 26/04/XX)
2026年の不動産市場はどうなる?現状と今後の見通しを分析(東急リバブル LIVABLEタイムズ, 26/01/07)




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