2026年1月13日、Metaが「Questの時代」に終止符を打った

2026年1月13日、Metaは単日でTwisted Pixel・Sanzaru Games・Armature Studioという3つのファーストパーティVRゲームスタジオを閉鎖し、Reality Labs部門の人員を約10%削減した。同日、企業向けVRコラボレーションプラットフォーム「Horizon Workrooms」の2月16日での終了も発表された。Zuckerberg自ら「メタバースが次のフロンティア」と宣言してから約4年。累積損失は700億ドルを超えた。

この決定を単なるコスト削減として読むのは間違いだ。これはMetaが「VRファースト」という戦略を公式に放棄した宣言だった。

数字が語る「VRヘッドセット終焉」の現実

IDCの最新レポートによると、2025年のVR・MRヘッドセット市場は前年比42.8%の急落が見込まれる。Meta自身のQuest出荷台数は2025年Q3だけで前年比17%減、2025年全体では前年比16%減の1.7百万台にとどまった。AppleのVision Proは発売初年度に約50万台を出荷したが、その後急速に減速しており、Appleの広告費に占めるVision Pro関連支出は2025年に前年比95%超の落ち込みを記録している。Metaも同期間でQuestの広告費を55%以上削減した。

より構造的な問題は、VRコンテンツの供給が同時崩壊していることだ。MetaのVRゲーム資金提供プログラム(Meta Start Program)は2026年に$6,000万を費やした後、実質的に終了する見込みで、独立系スタジオへの投資が急減している。VRプラットフォームとしてのQuestが成り立つためのゲームエコシステム自体が、Metaの撤退によって弱体化している。(Medium/Algoryte 26/03/10)

スマートグラスが「本命」になった理由

VRが沈む一方で、スマートグラスは爆発的に成長している。IDCによると2025年のXR市場全体は44.4%成長したが、その成長のほぼ全てがスマートグラス(ディスプレイなし・あり両方)によるものだ。Ray-Ban Meta AIグラスはEssilorLuxotticaが2025年の販売を前年比3倍超と報告しており、Metaは年産20〜30百万台に向けて生産拡張を検討している。

なぜスマートグラスが受け入れられ、VRヘッドセットが受け入れられないのか。答えは「顔に装着する許容範囲」だ。Ray-Ban Metaは$299から買える普通のサングラスの形状で、ファッションとして成立する。VRヘッドセットは「顔にレンガを載せる」問題を解決していない。バッテリーは1〜2時間、熱が出る、外では使えない、社会的に恥ずかしい。AndroidCentralが「2026年とAtari崩壊の1983年の類似が明確になってきた」と書いたのは比喩ではなく、データに基づいた分析だ。(Android Central 26/01/15)

Quest 4は来ない、来るのは「Puffin」という別物

2026年中の「Meta Quest 4」は事実上消えた。当初のPrototype「Pismo Low/High」はキャンセルされ、代わりに軽量MRデバイス「Puffin」が検討されている。Puffinは本体重量を110グラム以下(通常のサングラスと同程度)にするため、コンピューティングユニットをポケットサイズの外付けパックに分離するアーキテクチャを採用する。従来のコントローラーをなくし、ハンドトラッキングのみで操作する設計だ。

The Gadgeteerのリークまとめによると、信頼性の高いリーカーLunaとUploadVRの報告は「Quest 4は2027年または2028年」で一致しており、2026年のHoliday窓への期待は消えた。Quest 4という名称すら廃止される可能性があると、TechRadarが報じている。(The Gadgeteer 26/02/26)

「VRは死んだ」ではなく「VRは専門用途に絞られた」が正解

IDCは「2026〜2030年にかけてスマートグラスがVR/MRヘッドセットの出荷台数を上回る」と予測している。VRヘッドセットがゼロになるわけではなく、ゲーミング・エンタープライズ(医療・教育・設計)・立地型エンターテインメントという特定用途でのニーズは残る。ただし「万人に普及する消費者向けデバイス」としてのVRというビジョンは、少なくとも現時点では失敗したと評価するのが正確だ。

Quest 3Sを持っているユーザーにとっての現実的な結論は「2026年中にQuest 4は来ない。今持っているヘッドセットをそのまま使い続けることが最善」だ。SteamのValve Steam FrameやASUS ROG VRヘッドセットなど、競合製品が登場してくる2026〜2027年にかけて選択肢が整ったタイミングで改めて検討するのが賢明といえる。

参照ソース(噂の出どころ)

Meta Slashed More Than 1,000 Jobs & 3 VR Studios(Medium/Algoryte)
Meta isn’t giving up on VR, but it just evaporated any goodwill it had left(Android Central)
Apple, Meta ship significantly fewer VR headsets in 2025(The Register)
XR Market Expands 44.4% in 2025 as Smart Glasses Take Center Stage(IDC)
Everything We Know About the Meta Quest 4(The Gadgeteer)

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