Samsungは7月22日、ロンドンでGalaxy Unpackedを開き「新しいかたち」を掲げて次の折りたたみスマホを披露する。だがその華やかな発表会の直前、同社はもう一つの「新しいかたち」を静かに葬っていた。世界初級の三つ折りスマホ「Galaxy Z TriFold」は、発売からわずか3ヶ月で店頭から姿を消したのだ。
3ヶ月で消えた三つ折り
Galaxy Z TriFoldは2025年12月に韓国などで先行発売されたばかりだったが、Samsungは早くも販売終了へと動いた。発売から約3ヶ月というスピード退場である。(GIGAZINE 26/03/18)。しかも後継機の予定も伝わっておらず、日本上陸を待っていたファンは肩透かしを食らった。(ゴリミー 26/03)
二度折って10インチ級の大画面になる端末は、確かに未来的だった。だがその未来は、ほとんどの消費者の手に渡る前に打ち切られた。技術のショーケースとしては成功し、商品としては失敗した。この落差こそ、折りたたみスマホが今直面している現実そのものだ。
「できる」と「売れる」は別物だった
撤退の理由ははっきりしている。TriFoldは量販ではなく技術力を示すために作られた面が強く、採算の取りにくい価格設定で売り続けるのが難しかったと分析されている。(BigGo ファイナンス 26/03/17)
価格は約2,899ドル、日本円なら円安も相まって40万円台後半に達する水準だった。2億画素カメラや最上位チップに加え、二度折る複雑な画面構造が製造コストを跳ね上げた。「折りたためること」自体が目的化した瞬間、端末は日常の道具から高級な見世物へと変わってしまう。
7月22日の主役は「実用サイズ」へ振れる
だからこそ、7月22日のUnpackedが示す方向は象徴的だ。Samsungは「新しいかたちが現れる」と予告し、折りたたみの最新モデルを発表するとしている。(ケータイ Watch 26/07)。噂ではZ Fold8やZ Flip8に加え、よりパスポート型に近い横長のFold8 Wideといった、実用性を突き詰めた派生が中心と見られている。
三つ折りという「究極の大画面」から、持ちやすさと価格の落としどころを探る方向へ。主役の座が実験機から実用機へ移りつつあるのは、TriFoldの失敗が突きつけた教訓の反映だ。派手さより、毎日ポケットに入る現実解が問われている。
次世代は「薄さ」で勝負を仕掛ける
もっとも、Samsungが三つ折りを完全に諦めたわけではないようだ。次モデルではまったく新しいヒンジ機構を設計し、厚みと重さを大幅に削る方向で開発を進めているとの情報もある。(ギズモード・ジャパン 26/03)
これは正しい軌道修正だ。折りたたみ最大の弱点は、開けば大画面でも畳めば分厚く重いという矛盾にある。画面を増やす競争から、閉じたときの薄さを競う競争へ。ユーザーが本当に求めているのは「もう一枚の画面」ではなく「厚くならない大画面」だ。TriFoldの退場は、その優先順位を業界に思い出させた。
折りたたみの本命は三つ折りではない
Galaxy Z TriFoldが残した宿題は明快だ。技術の限界を示すフラッグシップは必要だが、それが売れるとは限らない。折りたたみが普及するかどうかは、二度折れる派手さではなく、閉じたときにただのスマホとして自然に使えるかで決まる。7月22日にSamsungが実用サイズへ舵を切るなら、それは後退ではなく成熟だ。三つ折りの短い生涯は、折りたたみの本命がどこにあるかを、身をもって教えてくれた。
参照ソース(噂の出どころ)
Samsung is ending sales of its foldable smartphone, the Galaxy Z TriFold, just three months after its release(GIGAZINE 26/03/18)
Samsung が Galaxy Z TriFold の生産を終了、コスト高が要因(BigGo ファイナンス 26/03/17)
Galaxy Z TriFold、販売終了へ。次世代機の予定もなし、らしい(ゴリミー 26/03)
日本に来る前に終了の予感。サムスンの三つ折り端末、販売終了の噂(ギズモード・ジャパン 26/03)
サムスン、「Galaxy Unpacked」を7月22日に開催 “新しいかたち”の折りたたみスマホを発表(ケータイ Watch 26/07)





コメントを残す