最高値圏なのに、なぜ誰も強気になれないのか

日経平均は2026年6月22日に7万2831円の年初来高値を付けた。数字だけ見れば紛れもない史上最高値圏だ。ところが市場に高揚感はない。7月2日には1741円安の6万8733円まで急落し、翌週も一進一退を続けた。7月6日時点で6万9744円と7万円をうかがう水準に戻したものの、個人投資家の空気は明るくない。最高値圏にいながら、参加者の多くが天井を警戒している。この気持ち悪さこそが2026年夏相場の正体である。(Yahoo!ファイナンス、26/07/06)

プロの『年末予想』を株価が先に追い越した

違和感の一因は、株価がプロの見通しを追い越してしまったことにある。野村證券のストラテジストは2026年末の日経平均を6万8000円へ上方修正した。AIと半導体の好業績を反映した強気の数字だ。ところが現値は7月の時点ですでにその年末目標を上回っている。(野村ウェルスタイル、26/07)。目標に到達したのではなく、追い抜いてしまった。上値の理屈を失った相場が、わずかな悪材料で大きく振れるのは当然だった。

過去のバブル崩壊と、今回が違う一点

7万円超えからの乱高下を見て、1990年や2000年、2008年の暴落を思い出す向きは多い。実際、過去のバブル崩壊や金融危機と重ねて警戒する解説も増えている。(トウシル(楽天証券)、26/07)。だが決定的に違う点がある。過去のバブルは金利が上がり切り、景気が過熱の限界に達したところで崩れた。今回の主役はAI設備投資という実需であり、日本企業の業績はまだ拡大している。崩壊の引き金となる過剰な熱狂が、少なくとも今は指数全体に回っていない。

問題はむしろ偏りにある。上昇を牽引しているのは半導体関連の一握りの銘柄で、指数はこの数銘柄の動きにぶら下がっている。だからマイクロンやサムスンの決算一つで日経が1000円単位で動く。過熱ではなく、一本足で立っていることが今回の脆さの本質だ。

『天井』ではなく『賞味期限』で考える

ここで有効なのは、天井を当てにいく発想を捨てることだ。半導体の設備投資には循環がある。ハイパースケーラーの投資が10-12月にピークを付けるとの見方があり、そこを境に半導体指数の勢いは鈍りやすい。相場全体を崩す暴落ではなく、牽引役の失速による頭打ち。乱高下は下落の前兆というより、上昇の賞味期限が近づいているサインと読むほうが実態に近い。

最高値圏で総悲観という違和感は、バブル末期の油断より健全ですらある。過度な楽観がない分、急落は起きても連鎖しにくい。守るべきは、一本足の半導体に資産を寄せすぎないこと。攻めの半導体と、金利上昇で利ざやが改善する銀行などの守りを両にらみで持ち、賞味期限が切れる前に比重を調整しておく。それが7万円乱高下相場の現実的な処方箋だ。

参照ソース(情報の出どころ)

日経平均7万円超えから乱高下。上昇どこまで?(トウシル・楽天証券、26/07)
日経平均株価見通しを2026年末68,000円に上方修正(野村ウェルスタイル、26/07)

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