「スペック競争は2026年に終わる」

NothingのCEOカール・ペイが、スマホ業界の前提そのものが崩れると明言した。「2026年はスペック競争が終わる年になり、真の差別化は“体験”だけになる」という。(Mobile Laby、26/06/16)。毎年RAM容量やコア数が増え、カメラの画素が跳ね上がる──そんな“わかりやすい進化”が、2026年を境に止まりつつある。その引き金は、意外にもメモリの価格だ。

「部品は年々安くなる」神話の崩壊

スマホ業界は15年間、ひとつの前提で回ってきた。「部品は年々安くなるから、価格を据え置いたまま毎年スペックを盛れる」という暗黙のルールだ。それが崩れた。「メモリはプロセッサやディスプレイより高価な、スマホで最も高い部品になり、ハード原価の5割超を占める」とされる。(GIGAZINE、26/06/15)。1年前は20ドル未満だったメモリモジュールが、ハイエンドでは年末に100ドルを超える見通しだ。原価構造そのものがひっくり返った。

安いスマホから順に消えていく

直撃を受けるのは、もともと利幅の薄いエントリー・ミドル帯だ。値上げするか、スペックを削るかの厳しい二択を迫られ、この価格帯は少なくとも2割縮むと見られている。Nothing自身も新型の廉価ブランド端末を一度断念した。「AI需要が引き起こすメモリ危機で、前進した端末が作れない」というのが理由だ。(Innovatopia、26/06/18)。皮肉なことに、AIブームが投資マネーをメモリに吸い上げた結果、最も安いスマホがまず犠牲になっている。

数字で進化を語れなくなった

スマホの進化は、もう“数字”では語れない。RAMの容量やコア数を競う時代は、メモリ高騰という外圧によって強制的に幕を下ろされた。これからの勝負を分けるのは、ソフトの最適化、デザイン、そして日常への溶け込み方──つまり「体験」そのものだ。スペック表を並べて優劣をつける買い方は、2026年で通用しなくなる。AI時代のメモリ危機は、逆説的にスマホを“性能表の呪縛”から解き放とうとしている。次に選ばれる端末は、いちばん速いものではなく、いちばん心地よいものになる。

参照ソース(噂の出どころ)

2026年はスマホ値上げとスペック競争の終焉 真の差別化は「体験」のみに──NothingのCEOが語る(Mobile Laby、26/06/16)
NothingのCEOが「スマホの価格はさらに上がる」と予想 高騰するメモリが一部モデルで価格の半分以上を占める(GIGAZINE、26/06/15)
Nothingが新型CMFスマホを断念 AI需要が引き起こすメモリ危機の実態(Innovatopia、26/06/18)

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