「上がり続ける新築」の陰で起きている異変
東京のマンション市場は、表面上まだ強い。都心3区の「億ション」は当たり前になり、価格の見出しばかりが躍る。ところが中古市場に目を移すと、様相は違う。「2026年5月度の東京都心3区では、中古マンションの成約価格が前年同月比20.3%減と急落し、過去1年間で最も低い水準を記録した」。(ダイヤモンド不動産研究所・26/06)
新築は上がり、中古は成約が細る。この食い違いの奥で、2026年後半から本格化する構造変化が控えている。築10〜15年を迎えた大量のタワーマンションが、これから市場に戻ってくるのだ。供給の波が、価格の二極化を一段と鮮明にする。
なぜ築10〜15年物件が一斉に出てくるのか
タワマンの売却には、いくつかの典型的なタイミングがある。住宅ローン控除の期間が一巡する頃、子どもの成長で住み替えを考える頃、そして相場が高いうちに利益を確定したい心理が働く頃だ。2010年代前半に大量供給されたタワマン群が、ちょうど今その節目に差しかかっている。「2026年以降は築10〜15年の物件が市場に多く戻ってくるタイミングと重なり、プレミア新築と優良中古の二極化が進む可能性がある」と指摘されている。(Dr. Asset Blog・26)
高値で買った所有者ほど、利益が乗っている今のうちに売りたい。その心理が重なると、同じ時期に似た物件が一斉に売りに出される。供給が増えれば、選ばれる物件と見送られる物件の差が容赦なく開く。
金利上昇が「売り時」の背中を押す
もう一つ、売却を後押しする要因が金利だ。日銀は政策金利を1.0%まで引き上げ、変動金利型の住宅ローンにも上昇圧力がかかり始めている。高値でローンを組んだ層にとって、返済額の増加は現実的な重荷になる。「金利上昇局面で、中古マンション市場では売り手と買い手の価格差が拡大している」とされ、売りたい人と買いたい人の折り合いがつきにくくなっている。(三菱UFJ不動産販売「住まい1」・26)
売り急ぐ所有者が増える一方、買い手は金利上昇を理由に慎重になる。この需給のねじれが、成約価格の下落と在庫の積み上がりを同時に招いている。
「立地と管理」で残酷に選別される時代へ
大量放出が進むこれからの局面で問われるのは、物件そのものの実力だ。同じ築年でも、都心の一等地で管理状態の良いタワマンは値を保ち、郊外や管理に不安のある物件は買い叩かれる。「プレミア新築」と「優良中古」という言葉が示すのは、価格が全体で上がったり下がったりする時代の終わりだ。これからは一棟ごと、一室ごとに勝ち負けがつく。
2026年後半、タワマンを持つ人にとっては、出口戦略を真剣に考える最後の好機かもしれない。相場全体が上昇していた時代の感覚のまま構えていると、供給の波に呑まれて売り時を逃す。買う側にとっても、二極化はむしろ好物件を冷静に選べる好機になる。平均値の見出しではなく、個別の立地と管理を見る目が、これまで以上に資産を左右する。
参照ソース(噂の出どころ)
【東京都中古マンション価格推移】都心3区は成約価格が過去1年で最低に! 売り手と買い手の価格差が拡大(ダイヤモンド不動産研究所・26/06)
【2026年最新】東京の中古マンション高騰はいつまで続く?(Dr. Asset Blog・26)
金利上昇局面で中古マンション市場に何が起きるのか(三菱UFJ不動産販売「住まい1」・26)





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