純利益15倍という異次元の数字
2026年6月、米マイクロン・テクノロジーが叩き出した決算は、もはや「好決算」という言葉では足りない。3〜5月期の売上高は414億ドル超で前年同期比およそ3.5倍、純利益は前年同期の15倍にあたる約282億ドルに膨らみ、時間外取引で株価は一時16%急騰した。次の四半期見通しも売上500億ドル規模を掲げ、上方修正どころか地図を描き替える数字が並んだ(2026/06/25、日本経済新聞)。
なぜ米国企業の決算で日本株が跳ねるのか
注目すべきは、この決算が太平洋を越えて日本株を動かした事実だ。発表翌朝の東京市場では日経平均が一時2700円超も上昇し、しかもその大半はアドバンテスト・東京エレクトロン・キオクシアというわずか3銘柄で約1700円を押し上げた格好だった。メモリを作るのは米韓勢でも、その製造装置と検査装置、素材、後工程を担うのは日本企業が中心にいる。マイクロンの好況は、この供給網を逆流して日本の数銘柄に集中的に流れ込む。海外の一社の決算が、東証の上げ幅を決めてしまう時代に入った。
HBMが「景気の体温計」をやめた
かつてメモリは値動きの激しい市況商品で、メモリ株は景気の体温計と呼ばれてきた。だがAI向けの広帯域メモリHBMは性格が違う。最新世代の生産枠は2027年まで完全に埋まり、需要見通しは2028年まで伸びている。価格が需給で乱高下するコモディティではなく、数年先まで予約された希少資源になった。これがメモリ各社の利益率を異次元に押し上げ、サイクルの呪いを断ち切りつつある根拠だ(2026/06/25、株帳)。
歓喜の裏にある一本足のもろさ
ただし手放しでは喜べない。日経平均7万円乗せの原動力が一握りの半導体株である以上、震源が海外にある日本株は受け身の立場に置かれている。マイクロンが沸かせば跳ね、海外勢が一言弱気を漏らせば総崩れになる。先週末に下落幅が史上3位を記録したのも、その裏返しだ。上げも下げも数銘柄に握られた相場は、強いように見えて細い。
夏の決算ラッシュが本当の試金石になる
マイクロンが鳴らしたのは号砲であって、ゴールではない。スーパーサイクルが本物かどうかは、これから続く半導体各社と装置メーカーの夏の決算で答えが出る。震源が太平洋の向こうにある以上、日本の投資家に求められるのは、自国の株価表ではなく米国メモリ各社の数字を読む眼だ。2026年後半の日本株は、それができる人とできない人で結果が分かれる。
参照ソース(情報の出どころ)
・マイクロン純利益15倍、株価16%急騰 韓国発の半導体株売りから一転(日本経済新聞)
・マイクロン(MU)決算 2026年6月 内容まとめ・決算速報(株帳)





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