1年で4割下がったハイエンドGPU
PCパーツの値上げニュースばかりが目立つ2026年だが、グラフィックボードだけは奇妙なほど安くなっている。AMDのRadeon RX 9070 XTは、2026年1月のピーク時に約14万4000円まで高騰したのが、6月時点で最安およそ8万8000円、主流でも10万円前後まで落ちた。ピークから約4割の下落である。(26/06 ゲーミングスタイル) メモリ高騰でPC全体が値上がりする中、この逆行は明らかに異質だ。
下がった理由は「増産」ではなく「冷え込み」
ここで誤解してはいけないのは、安くなった原因が供給増ではないことだ。むしろ逆で、需要が急速に冷え込んだ結果として値が崩れている。1月の高値づかみを嫌ったユーザーが購入を見送り、価格差が縮まったNVIDIAのRTX 5070へ流れた。RTX 5070が想定価格以下で買えるようになったことで、RX 9070 XTの割高感がさらに際立ち、小売店に在庫が滞留。店側が自主的に値下げして在庫を捌いている、というのが実態だ。(26/06 GAZ:Log) つまり今の安さは、製品の魅力ではなく人気の差が生んだものである。
性能で見れば「買い」は明白
皮肉なのは、人気で負けているRX 9070 XTが製品として劣っているわけではない点だ。ラスタライズ性能ではRTX 5070を上回る場面も多く、VRAMは16GBを積む。生成AIや高解像度ゲームでメモリ容量がものを言う時代に、8万円台でこの構成が手に入るのは破格だ。ブランドへの安心感でNVIDIAを選ぶ層が多いからこそ、中身で選べる人にとっては絶好の買い場になっている。
この好機は7月に終わるかもしれない
ただし、のんびり構えていられる状況ではない。海外報道では、AMDがRX 9000シリーズ全体を2026年第3四半期、早ければ7月にも10〜15%値上げする可能性が浮上している。背景にあるのはVRAMをはじめとするメモリの逼迫だ。AIデータセンター向けにメモリが奪い合われ、ゲーミング向けの部材コストが押し上げられている。在庫処分の安値と、これから来るコスト増の値上げ。その狭間にあるのが、まさに今の数週間だ。
“安いから待つ”が裏目に出る局面
グラボは下がり続けるもの、という直近1年の感覚は、ここで一度リセットしたほうがいい。今の安値は需要の冷え込みという特殊要因が作った一時的な窓であり、メモリ高騰という構造的な圧力はむしろ値上げ方向に効き始めている。性能と価格のバランスで見れば、RX 9070 XTの8万円台はこの世代の底値に近い。次の買い時を待つより、底を打った今動くほうが理にかなう。安さを理由に先送りすることが、最も高くつく選択になりかねない。
参照ソース(噂の出どころ)
RX 9070 XT 価格推移 日本の最安は約8.8万円・7月値上げ噂(ゲーミングスタイル・26/06)
Radeon RX 9070 XTが9万円台へ値下がり(GAZ:Log・26/06)





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