Apple Vision Pro 2のリリースが「2028年以降」に延期されたと複数の海外メディアが報じている。WWDC 2026(6月8日)を4日後に控えながら、なぜAppleは「次世代ヘッドセット」の投入を先送りし、ソフトウェアに全力を注ぐのか。その背景には、「空間コンピューター」という壮大な野望が直面している現実がある。
Apple Vision Pro 1が超えられなかった3つの壁
2024年2月に499,800円で登場したApple Vision Proは、技術的な完成度の高さで業界を驚かせた一方で、販売は期待を大幅に下回った。推計累計販売台数は2025年末時点で100万台未満とも言われる。普及を阻んだのは第一に価格、第二に重さ(600g超)、そして第三に「このデバイスで何をするのか」という明確な答えが見つからなかったことだ。スマートフォンとノートPCとの「間」にある新しいカテゴリーを作ることは、想像以上に難しかった。
Apple Vision Pro 2が2028年まで延期されたという報告は、Appleが今後2〜3年、現行ハードウェアのままソフトウェアを磨き続けることを選んだことを意味する。(The Gadgeteer)(26/05/29)
visionOS 27が担う「あきらめない」という証明
6月8日のWWDCで発表される見通しのvisionOS 27には、刷新されたSiriとApple Foundation Modelsの深い統合が含まれると報じられている。これは単なるマイナーアップデートではない。視線とジェスチャーとAI音声が一体となった「空間AIアシスタント」が実現すれば、Vision Proの体験価値は質的に変わる可能性がある。
「visionOS 27 is Apple’s chance to show it cares about Apple Vision Pro」と米メディアが表現するように、今年のアップデートはAppleが「Vision Proを捨てていない」ことを市場に示す場でもある。(AppleInsider)現実には売れていないデバイスに対してソフトウェアを磨き続けるという姿勢は、Appleが2028年の勝負に向けてエコシステムを育てる意図の表れだ。
2028年に「Vision Pro 2」が成立するための条件
次世代Vision Pro 2が本当に市場を動かすには、少なくとも3つの壁を越える必要がある。価格を現行の半額以下に抑えること、重量を300g台に収めること、そして「これがないと困る」というキラーアプリが登場することだ。現時点でいずれも解決の見通しは立っていない。ハードウェアを2028年まで待つのは、技術の成熟を待つと同時に「市場を教育する時間」を買う行為でもある。
Appleは今年のWWDCで新ハードウェアを出さない。しかしvisionOS 27が何を語るかで、「Vision Pro 2」が現実のものになるかどうかが決まる。Appleはまだ、空間コンピューターという夢を諦めていない。それが今年のWWDCを読み解く、もうひとつの視点だ。
参照ソース(噂の出どころ)
Apple Vision Pro 2 Reportedly Delayed to 2028 Ahead of WWDC – The Gadgeteer
visionOS 27 | Optimization, Spatial Computing, Siri chatbot – AppleInsider
Not dead yet: Apple Vision still has a future – AppleInsider





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