スマートフォンの設計者が、スマートフォンを否定する
2025年5月、OpenAIはジョニー・アイヴが設立したハードウェアスタートアップ「io Products」を約65億ドルの全株式交換で買収した。iPhoneをデザインした伝説的プロダクトデザイナーが、次に作るのは画面を持たないAIデバイスだ。コードネームは「Sweetpea(スイートピー)」。2026年後半のデビューを目指して開発が進んでいる。(AndroidHeadlines)
「Sweetpea」とは何者か
現在判明している仕様では、ピル型の小型ボディにカスタム2nmチップと環境センサーを搭載したウェアラブルデバイスだ。画面は一切持たない。ユーザーは音声と文脈でAIと会話し、デバイスは周囲の状況を常時把握して先回りして動く設計になっている。サム・アルトマンは「もっと平和なデバイス」「ユーザーが驚くほどシンプルと感じるはず」と語っている。(Axios)
ジョニー・アイヴはiPhoneという「画面を触り続けるデバイス」の設計者だ。その本人が今度は画面そのものを設計から取り除いた。単なる形状の変化ではなく、スマートフォン時代の前提への根本的な問い直しだ。
なぜ「今」なのか
ChatGPTのアクティブユーザーは2026年に9億人を超えた。しかし多くのユーザーがすでに「アプリを開き、文字を打ち込み、待つ」という行為に疲弊している。OpenAIはこの摩擦こそが次世代AIデバイスの存在意義だと考えている。
スマートフォンはOSとアプリのレイヤーを必ず経由する構造上、AIが「常にそこにいる」状態を実現しにくい。Sweetpeaが目指すのはその制約から解放された「常時在席AI」という体験だ。
Foxconnが製造、初回4,000〜5,000万台
製造はAppleのサプライチェーンも担うFoxconnが担当する。初回出荷目標は4,000〜5,000万台。iPhoneの年間出荷が2億台規模であることを考えれば、これはパイロットではなく市場を本気で取りに行く規模だ。(MacDailyNews)
OpenAIが本当に狙っているのはハードウェアの利益ではない。「常時接続されたユーザーベース」というエコシステムの入り口を手に入れることだ。GoogleがAndroidで、AppleがiOSで実現したものを、AIネイティブなデバイスで一から構築しようとしている。
AppleとGoogleへの本質的な脅威
現在のAppleはSiriにGeminiを統合し、ChatGPTとも協業することで「最高のAIを動かす器」であろうとしている。しかし器の外に、AIと直結する専用デバイスが登場すれば、「iPhoneを経由しなくてもChatGPTが使える」という世界が生まれる。
ジョニー・アイヴは自らが設計したモバイル時代を、自分の手で塗り替えようとしている。Sweetpeaが2026年後半にどのような形で登場するのか。それはスマートフォン25年の歴史に対する、最も本格的な挑戦になるだろう。
参照ソース(噂の出どころ)
Official: OpenAI to Reveal Its First AI Hardware in Late 2026 – AndroidHeadlines(26/01/21)
OpenAI aims to debut first device in 2026 – Axios(26/01/19)
OpenAI’s Jony Ive-designed always-listening AI device on track for late 2026 – MacDailyNews(26/01/21)





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