2024年1月にスタートした新NISAが2年以上を経過した2026年、日本の株式市場に静かな異変が起きている。外国人投資家が利益確定売りを出すたびに、個人投資家の「押し目買い」が相場を支える構図が定着しつつある。この現象は偶然ではない。新NISAが日本の個人投資家の行動を、構造レベルで変えてしまったのだ。

新NISAが生んだ「売らない投資家」という新種

旧NISAでは年間120万円の非課税枠が期限付きだったため、投資家には「期限前に売って利益確定する」動機があった。新NISAは恒久非課税・生涯1800万円枠という設計により、「売る必要がない」長期保有に最適化されている。証券各社のデータによれば、新NISA口座の売却率は旧NISAと比較して大幅に低く、「買って持ち続ける」行動が浸透しつつある。2026年春、日経平均が短期調整した際も、NISA口座からの売りは限定的で、相場の下落が抑えられた場面が複数あったとされる。

外国人が売って、個人が買う「逆回転」の始まり

かつての日本市場は「外国人が買い越せば上がり、売り越せば下がる」というシンプルな構図だった。しかし新NISA導入後、この法則が崩れ始めた。2026年に入ってから、外国人が売越しを続けた週でも、個人投資家の買越しが相場を下支えする場面が増えている。日経平均6万4000円台が視野に入る一方で長期金利が29年ぶりの高水準にあるにもかかわらず株価が大きく崩れない背景には、この構造変化がある。株探は2026年5月の市場動向として「個人の押し目買いが相場を支える局面が増えている」と伝えている。(株探)

機関投資家が気づき始めた「個人相場」の現実

外資系ヘッジファンドにとって、かつての日本株は「外国人が動かす相場」だった。だが今、個人投資家1000万口座超が新NISA経由で株を積み上げている現実に直面している。個人は「長期保有前提で買っている」ため、短期的な材料には反応しにくい。決算ミスや地政学リスクで外国人が売っても、個人の「買い指値」がすぐに控えている相場では、空売り戦略が機能しにくくなっている。

「個人に支えられる相場」のリスクと限界

とはいえ、楽観視はできない。新NISAで積み立てた個人投資家の多くは、20〜30%超の下落を経験したことがない「強気相場しか知らない世代」だ。2008年のリーマン・ショック級の暴落が来れば、初めて「持ち続けることへの恐怖」に直面する。その時、「売らない投資家」が一斉に売りに転じれば、下落を加速させるリスクもある。新NISAが生んだ構造変化は相場の安定剤になっているが、同時に「未知の臨界点」を内包している。押し目買いが相場を守れるのは、信頼が続く限りの話だ。

参照ソース(噂の出どころ)

株式投資入門 – 米国株(アメリカ株)の今後(2026年5月)の見通し(26/05/2026)
Bloomberg – 米国債利回り5%で揺れる市場(26/05/07)

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