29年ぶりの高金利が「持ち家計算」を狂わせている

2026年5月、日本の長期金利が29年ぶりの高水準に達した。住宅ローンの固定金利は急上昇し、変動金利にも上昇圧力がかかっている。東京23区のマンション平均価格がすでに1.5億円を超えている現実と、金利上昇が重なったとき、タワーマンション保有者が突きつけられる問いはひとつだ。「今が売り時なのか、それとも持ち続けるべきか」。

金利上昇がタワマン市場にもたらす3つの波

第一の波は「買い手の減少」だ。ローン金利が1%上がるだけで、1.5億円のマンションの月々の返済額は大幅に増える。買える人の数が減れば、価格は自然と下押しされる。

第二の波は「売り物件の増加」だ。変動金利で購入したオーナーが返済増を嫌気して売却を検討するケースが増えている。売り物件が増えれば、さらに価格に下押し圧力がかかる。

第三の波は「外資・富裕層の選別」だ。ここが重要で、円安が続く限り、外国人富裕層にとって東京の不動産は依然として割安感がある。金利上昇で一般層が買えなくなる一方、外国人投資家が都心の物件を買い続ける構図は続く。結果として、「好立地の高額物件は値崩れせず、郊外や駅遠のタワマンは苦戦する」という二極化が加速する。

「今売るべきか」の判断軸

売るべき物件の条件は明確だ。築20年超で大規模修繕が迫っているタワマン、管理費・修繕積立金が年々上昇しているケース、最寄り駅から徒歩10分超の立地、そして「外国人富裕層が好む立地要件を満たさない」物件は、早めに判断したほうがよい。2026年区分所有法改正によりタワマンの建替え決議要件が緩和されたが、逆に言えば「自分の意志に反して建替え・売却を迫られるリスク」も高まった。

「持ち続けるべき」物件は、山手線内側の駅近、外国人投資家の需要が高い港区・千代田区・渋谷区、そして築浅で修繕計画が健全なケースに限られる。それ以外の「なんとなく都心のタワマン」は、甘い期待を手放す時期に入っている。

住宅ローンの本当のリスクは「金利じゃない」

多くの人が「変動か固定か」を議論するが、タワマン保有者にとっての本当のリスクは金利ではなく「流動性」だ。急いで売らなければならない状況になったとき、タワマンは想像以上に売れない。売れるタイミングに売れる状態を作っておくこと、それが2026年の不動産保有者に求められる最低限の判断だ。

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