Steam Deck OLEDはまだ現役だが、後継機はどこにいる
2023年に登場したSteam Deck OLEDは2026年に入っても「ベストゲーミングハンドヘルド」として機能し続けている。25,000本超の対応タイトル、SteamOSの安定性、$549という価格帯。2026年Q1の販売台数は95万台に達し、前年比22%増という数字も出ている。とはいえ、競合ハンドヘルドがRyzen Z2 Extreme、RDNA 3、さらには8.8インチOLEDを搭載して登場する中、Steam Deck OLEDのZen 2/RDNA 2というアーキテクチャは3年以上前のものだ。
では、Steam Deck 2はいつ来るのか。答えはシンプルで、少し残酷だ。「まだ存在しない」。
ValveのPierre-Loup Griffaisが語った「搭載できるチップがない」
ValveのソフトウェアエンジニアでSteamOSのリード開発者であるPierre-Loup Griffaisは、2025年のValveハードウェア発表イベントでIGNに対してこう語った。「我々が確認しているのは、それが単独製品として意味を持つだけの十分なパフォーマンスアップグレードであるかどうかだ。」さらに明確に、「Ryzen Z2を搭載したSteam Deck 2は存在しないし、少なくとも来年(2026年)まで新ハードウェアを考えるつもりはない」とも述べている。(Tom’s Hardware 25/11/14)
ここで重要なのは「20〜30%の性能向上では意味がない」という表現だ。Valveは次のSteam Deckをコンソール的な世代交代として位置づけており、「同じバッテリーで劇的に速い」という条件が揃わない限り、製品化しないという判断を下している。
「存在しないチップ」とは何か――3つの技術条件
XDA Developersの分析によると、ValveがSteam Deck 2のために待っている技術条件は大きく3つある。
まずノードの縮小だ。現行OLEDは6nmプロセス製造だが、TSMC N3(3nm)またはN2(2nm)への移行が必要とされる。これにより同じ15Wの熱設計電力(TDP)でより高い性能を実現できる。次にアーキテクチャの世代交代。現行チップはZen 2/RDNA 2で、業界はすでにZen 4/RDNA 3に移っている。Valveは中間世代をスキップして、RDNA 5という「クリーンシート再設計」の世代まで待つ可能性が高い。最後にメモリ帯域幅の問題だ。APUは全てのVRAMをシステムRAMと共有するため、LPDDR6が必要な帯域幅を確保できるかどうかが1080pやリフレッシュレートの高いゲーミングに直結する。
これら全てが揃う「ゴールディロックスチップ」はまだ存在せず、2027年〜2028年にようやく現実的な選択肢が出てくる可能性があるとみられている。(XDA Developers 26/04/06)
「来ない」ことの副産物――SteamOSが別の戦場を作った
Steam Deck 2が来ない間、ValveはSteamOSを他社ハンドヘルドに開放するという動きに出た。Lenovo Legion Go S(SteamOS版、2026年6月発売予定、約$1,199)は、Valveのソフトウェア資産を別のハードウェアで体験できる最初の商品だ。
この戦略はValveにとって合理的だ。Steam Deck 2という製品を性急に出すのではなく、SteamOSというプラットフォームを育てることで、ハンドヘルドPC市場全体の標準化を進める。そして十分な性能跳躍が実現できるタイミングで、Steam Deck 2を真の意味での「次世代」として投入する。これはある意味で、任天堂がゲーム機をどう設計するかという哲学に近い。
2026年の現実解――今のSteam Deck OLEDで十分か
直近の状況を整理すると、競合のROG Xbox AllyやLenovo Legion Goは高い性能を誇るが、そのために25〜30WのTDPを必要とし、バッテリー持続時間が短くなる。Steam DeckはValveの「3〜15W」という効率重視の設計ウィンドウで動作しており、これが軽量・長時間駆動を実現している。現行のSteam Deck OLEDはまだ3年先までの主力機として十分機能し、2027〜2028年のSteam Deck 2発表を待つ価値は十分ある。
ただし注意点がある。現在Steam Deck OLEDは品薄状態が続いており、Valveはメモリ・ストレージ不足による在庫枯渇を公式に認めている。RAMageddonと呼ばれるメモリ危機の影響はここにも及んでいる。購入を考えている人は、入荷のタイミングを逃さず確保するのが得策だ。
参照ソース(噂の出どころ)
Valve is waiting to create the Steam Deck 2 until major silicon and architectural improvements emerge(Tom’s Hardware)
Valve says the Steam Deck 2 needs a chip that doesn’t exist yet(XDA Developers)
Valve says a next-gen Steam Deck 2 still isn’t possible(PC Gamer)
Steam Deck 2 Leads Portable Gaming in 2026: Separating Fact from Fiction(Talk Android)




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