2026年、サウンドバー市場に本命の挑戦者が現れた
2024年10月に登場したSonos Arc Ultraは、登場以来サウンドバーの頂点に君臨し続けている。14基のドライバー、独自の「Sound Motion」技術、9.1.4チャンネル構成。競合各社が次々と挑んできたが、2026年に入っても各メディアの「ベストサウンドバー」リストではArc Ultraがトップに居座り続けている。
しかし2026年2月、TechRadarが報じた新製品がその牙城を揺るがす存在として浮上した。SonyのBravia Theater Bar 7だ。$869という価格設定(Arc Ultraは$999/$1,099)で、Arc Ultraが持っていない機能をいくつか搭載して登場する。
Sonos Arc Ultraの強み――「引き算の哲学」
Arc Ultraの本質は「シンプルな接続、複雑なサウンド」という逆説にある。接続端子はHDMI eARC 1本のみ。HDMIパススルーなし、DTS非対応、付属リモコンなし。これだけ見ると弱点のように映るが、Sonosの思想はまったく逆だ。
セットアップは1本のケーブルで完了し、あとはSonosアプリで全管理できる。Trueplay機能はiPhoneを使って部屋の音響特性を自動補正し、Apple MusicやAmazon MusicからDolby Atmos Musicを直接ストリーミングできる。音質面では、What Hi-Fi?の評価によると「リズムの正確さと精緻さでSamsungのQS700Fを上回り、クラスリーダーの座を維持している」とのことだ。(What Hi-Fi? 26/02/12)
拡張性もSonosの強みだ。Arc Ultra単体をベースに、Sonos Sub 4やSurround speakersを後から追加することで、完全なサラウンドシステムへと段階的にアップグレードできる。自分のペースで、自分の予算で組み上げていける設計は、他のブランドには真似しにくい。
Sony Bravia Theater Bar 7の「あれもできる」戦略
一方、Sony Bravia Theater Bar 7は$869/$699(米/英)という価格で、Arc Ultraが持っていない機能を複数備えてくる。9スピーカー・5.0.2チャンネル構成、Dolby Atmos対応に加え、Arc Ultraが非対応のDTS:XとIMAX Enhancedをサポートする。さらにHDMI 4K/120Hz対応のパススルーポートが搭載されており、複数のゲーム機やプレーヤーを接続したいユーザーには明確なメリットになる。
Wi-Fi 6、Bluetooth 6.0、LDAC対応のほか、Spotify ConnectとApple AirPlay 2も搭載。Sonos同様に拡張性も備えており、Bravia Theater Sub 8/9やBravia Theater Rear 9スピーカーと組み合わせてシステムを拡張できる。日本を含むグローバル市場への展開は2026年7月からの見込みだ。(TechRadar 26/02/01)
スペックシートで勝てない理由――Arc Ultraが「勝つ」仕組み
Sonos Arc Ultraがスペック上の弱点を持ちながら評価され続ける理由は何か。TechRadarのレビュアーSimon Cohenはそれを端的に言い表している。Arc Ultraとバンドルなしで購入できるJBL Bar 1000 MK2($1,200)を比較した際、「スペックと機能だけ見ればJBLの完勝だが、実際に聴けば話が変わる」と述べている。
音楽の解像度、空間音響の自然さ、ダイアログの明瞭さ。これらの定性的な部分でArc Ultraが上位に位置しているという評価が繰り返されている。とりわけSonosのエコシステムに既に入っているユーザー(Era 300やMove 2など)にとっては、Arc Ultraはマルチルームオーディオの中心になる選択肢だ。
一方、Sony Bar 7のレビューはまだ出揃っていない(7月発売のため)。TechRadarの報道では「近日レビュー掲載予定」とされており、実際の音質がどうかはまだ不明だ。スペックの充実度は疑いないが、音質評価が伴わなければArc Ultraの牙城は崩れない。
どちらを選ぶべきか――ユーザーのタイプで分かれる
両者の違いをシンプルにまとめると、「今のテレビ環境をシームレスに補完したいか」「複数の機器をつないでフルスペックのホームシアターを構築したいか」という軸になる。
Arc Ultraは1本のケーブルで始まり、追加機器なしでも完成度の高いDolby Atmosサウンドを出せる。Sonosアプリの完成度と、音楽ストリーミングとの親和性も高い。Sony Bar 7は、DTS:Xが必要なBlu-rayコレクターや、4K/120HzゲーミングをHDMIパススルーで通したいゲーマー、あるいはArc Ultraより$130安く機能を詰め込みたい人に刺さる。
重要なのは、Arc UltraがDTS非対応という点だ。Blu-rayを多く持っているユーザーにとって、DTS-HDマスターオーディオのコンテンツが正式対応されないことは想像以上に大きな制約になりうる。ここだけで選択肢が変わる人は少なくない。
2026年7月のBar 7発売後、実機レビューが出揃った段階でもう一度比較するべきトピックだが、現時点でのサウンドバー市場の構図は「Sonosのエコシステムか、Sonyの機能量か」という問いに収斂しつつある。
参照ソース(噂の出どころ)
Sony’s new Dolby Atmos soundbar does all the things the Sonos Arc Ultra doesn’t(TechRadar)
Samsung HW-QS700F vs Sonos Arc Ultra: which soundbar is best?(What Hi-Fi?)
Sonos Arc Ultra Review: Why It’s Still The Soundbar To Beat In 2026(Empire Online)




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