Ultra 3が完成形に近い今、Ultra 4に何が足りないのか

2025年9月に登場したApple Watch Ultra 3は、歴代Ultraシリーズで初めてバッテリー持続時間が向上したモデルとして評価が高い。最大42時間(低電力モードで72時間)、3,500ニトの輝度、5G対応、そして高血圧(hypertension)通知という新しい健康機能。外観こそ歴代Ultraと見分けがつかないほど変わらないが、中身の熟成度は確かに上がった。

しかし2026年9月、Ultra 4が登場する見込みとなっている今、ユーザーの関心は一点に集中している。「血糖値を測れるのか」と「Touch IDはついに来るのか」の2点だ。

Touch ID:コードに実在した「AppleMesa」

今回最も信頼性が高いリークは、ソフトウェアエンジニアのFilipe Esposito(Macworld)による内部コードの解析だ。Appleの2026年モデルのApple Watchに関連するコードに、「AppleMesa」という文字列が確認された。これはApple社内でTouch IDを指す長年のコードネームとして知られており、偶然の一致とは考えにくい。

実装場所についてはまだ不明で、サイドボタン、Digital Crown、Actionボタンのどれかに指紋センサーが組み込まれる可能性が指摘されている。Apple WatchにはこれまでパスコードかiPhoneによるロック解除しか存在しなかったため、Apple Payでの認証やアプリロック解除がウォッチ単体で完結するようになれば、日常の使い勝手は大きく変わる。

注目すべきは、Touch IDがUltra 4だけでなくApple Watch Series 12にも同時搭載される可能性が高いという点だ。Appleは単一製品のために指紋認証インフラを構築する企業ではなく、Series 12にも展開される予定というリークが重なっていることは、この情報の信頼性を高めている。(9to5Mac 26/04/03)

センサー倍増の意味――精度の向上が目的

Digitimesのサプライチェーンレポートによると、Apple Watch Ultra 4では「センサーコンポーネントの数が大幅に増加する」とされており、2倍程度に増える可能性があるという。ただしこれは新しい計測項目の追加ではなく、既存センサーの精度向上が主な目的とみられる。「アルゴリズムによるデータ解釈への依存度を下げる」という表現がレポートに使われており、心拍数、血中酸素、睡眠追跡の精度が改善されるとみられる。

現時点では、Ultra 3が搭載している「高血圧通知」は30日間のデータを使ったアルゴリズム的な判定にとどまっており、具体的な数値(収縮期/拡張期血圧)は出力されない。Ultra 4では、この「通知にとどまる」機能が「実測値の表示」にステップアップする可能性がある。血圧の数値が出るだけでも、スマートウォッチとして大きな前進といえる。(PhoneArena 26/04/09)

血糖値モニタリングは「2026年は無理」で一致

一方、長年にわたって期待され続けてきた非侵襲型血糖値モニタリングについては、複数のアナリストや報道機関が「Ultra 4には搭載されない」で見解が一致している。Appleは短波赤外線(SWIR)レーザーを使った皮下の間質液分析技術を研究中とされているが、医療グレードの精度要件を満たせていないとされる。

規制当局(FDAなど)が要求する精度基準はきわめて高く、Appleが参照数値を出せる段階にはまだない。「プロトタイプは存在する」という報道が出る一方で、「消費者に届けられる状態にない」という点では情報が収束している。もし搭載されるとしても、特定の血糖値数値ではなく「血糖値が急上昇・急下降している」という傾向通知(Glucose Trend Notifications)にとどまるという見方もある。(Smartwatch Insight 26/04/07)

デザイン変更はどの程度か

デザインについてはサプライチェーン情報が錯綜している。「大幅なリデザイン」を示唆するレポートがある一方で、直近の情報では変化は「控えめ」になりそうだという見方が強い。microLED採用による大型化は以前から噂されていたが、microLEDへの移行はAppleの計画から外れた(または大幅に後退した)との報告もある。

2022年のUltra 1から変わっていない49mmチタンケース、ActionボタンとDigital Crownの配置は2026年も維持される公算が高い。大規模なリデザインは2028年以降に持ち越される可能性がある。

価格と発売時期――$799のラインが続く

発売時期はApple恒例の9月初旬イベントで、iPhone 18シリーズと同時に発表される見通しだ。Ultra 1から3まで3世代連続で$799を維持しており、Ultra 4もこの価格帯を保つとみられている。センサー強化の規模によっては$849〜$899への小幅値上げが選択肢に入る可能性はあるが、大幅な値上げは現時点では予想されていない。

Ultra 3を持っているユーザーにとって今すぐ買い替えるほどの変化ではないかもしれないが、旧世代(Ultra 1・2)ユーザーや、Touch IDや血糖値計測への期待がある人にとっては9月まで待つ価値がある。外観の変化が小さいだけに、「中身の変化」を丁寧に見極めるタイミングが来ている。

参照ソース(噂の出どころ)

Apple Watch Ultra 4: Four rumored new features coming this fall(9to5Mac)
Apple Watch Ultra 4 release date expectations, price estimates and upgrades(PhoneArena)
2026 Apple Watch Ultra 4 Leaks: New Sensors, Touch ID & Release Date(Smartwatch Insight)
Apple Watch Ultra 4 Rumors: A Closer Look at What’s Coming This Fall(TechRepublic)
Apple may launch Watch Ultra 4 later this year with these upgrades(Business Standard)

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