「ミッドレンジのゲームチェンジャー」という看板を掲げ続けてきたNothingが、2026年3月5日に発表したPhone (4a)と Phone (4a) Proは、明らかに以前と違う製品になっていた。値段が上がっただけではない。特にProモデルは、従来のミッドレンジという概念を逸脱し始めている。それはいいことなのか、悪いことなのか。
価格が上がった、でもそれ以上のことが起きている
9to5Google(26/03/05)によると、Phone (4a)はベース価格£349/€349(前モデルより安くなった)で3月13日に発売開始。一方、Phone (4a) ProはベースPrice £499/€499で3月27日発売だ。Proはリーク段階から「大きく値上がりする」と言われていたが、その価格に見合った中身になっているかが問題だ。
Proが搭載するのは、Sony LYT700cメインセンサー+3.5倍望遠ペリスコープ+超広角の3眼50MPカメラ構成、最大140倍ハイブリッドズーム、4K Ultra XDR動画、Dolby Vision対応、アルミニウムユニボディ、IP68防水(4aはIP64)、6.83インチ144Hz AMOLEDと、これはフラッグシップと並べても見劣りしないスペックだ。背面の「Glyph Matrix」はPhone (3)から引き継いだLEDマトリクスディスプレイで、Glyph Toysなどのカスタマイズ機能にも対応する。
透明感が消えたことの意味
もうひとつ見過ごせない変化がある。Nothingのアイデンティティとも言えた透明バック。Phone (4a) Proでは、カメラバー部分を除いて透明要素がほぼなくなり、代わりにiPhoneを彷彿とさせる直線的なデザインが採用された。これはブランドの主張の変化を意味する。
Tech Advisor(26/03/13)は、Phone (4a) Proのデザインについて「透明感のあったNothingらしさが後退した」という見方を示しつつも、スペックアップについては高く評価している。ハードウェアで本気を出し始めたNothingが、アイデンティティの一部を犠牲にしたとも言える。
実は標準の4aの方が「Nothingらしい」
ここが面白い逆転現象だ。£349という価格に抑えられた標準Phone (4a)の方が、これまでのNothingらしい哲学——「必要十分を、個性的なデザインで」——に近い。Glyph Barのデザインを63個のミニLEDで構成されたシンプルなバーに刷新し、透明バックは維持されている。Snapdragon 7s Gen 4、6.78インチ120Hz AMOLED 1.5K、5,400mAh+50W充電という構成は地味に堅実で、Android 16 + Nothing OS 4.1の6年セキュリティアップデートも魅力的だ。
ただし電動昇降カメラや望遠ペリスコープはなく、IP64止まりで日本市場での扱いは不明だ。競合のGoogle Pixel 10a($499/Android 16・Tensor G4)と比べると、カメラのAI機能という点でGoogleに軍配が上がりやすい。
Nothingはどこへ向かうのか
Carl Pei率いるNothingは今、明確な二段構えを試みている。Phone (3)の路線に近いProでブランドのプレミアム化を進めながら、標準モデルでミッドレンジ市場の核心ユーザーを繋ぎ止める戦略だ。Phone (4a) ProはPixel 10 ProやGalaxy A57と真正面から戦う価格帯に踏み込んでおり、今後Nothingが「ガジェット好きのための個性的なスマホブランド」から「ちゃんとした高性能スマホメーカー」に転換するかどうかの試金石になる一台だ。
賛否が割れそうなタイミングだが、少なくともNothingが停滞していないことだけは確かだ。それはNothingというブランドにとって、もっとも重要なことかもしれない。
参照ソース(噂の出どころ)
・Nothing Phone (4a) series goes official with major Pro upgrades from £349(9to5Google、26/03/05)
・The Nothing Phone (4a): Release Date, Price & Specs(Tech Advisor、26/03/13)
・Nothing Phone (4a) leaks reveal price, specs, release date(9to5Google、26/02/18)




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