Nintendo Switch 2は2025年6月の発売から半年余りで1,737万台を売り上げた、記録的な出足の好調なハードだ。ところが肝心のソフト販売に異変が起きている。ハードの台数に対してゲームが売れていないのだ。その背景には、AI産業が引き起こした世界的なNANDメモリ不足という、ゲーム業界が初めて直面する新種の問題がある。
数字が示す異常――Switch初代の半分しかゲームが売れていない
Tom’s Hardware(26/03/05)がBloombergの調査を引用した報告によると、2025年末時点でSwitch 2本体1台あたりのゲーム購買数は平均2.18本にとどまった。Switch初代が同じ販売台数(約1,700万台)に達した2018年3月時点では3.88本だったことを考えると、約44%の落ち込みだ。ハード自体は飛ぶように売れているのに、ソフト収益が伴っていない。
Bloombergの取材に応じた日本人ゲーマーの一人はこう語る。「以前は気軽にゲームを買っていたけれど、今は慎重になっている。ストレージがこんなに速く埋まるとは想像していなかった。」Switch 2の内蔵ストレージはわずか256GBで、ファイルサイズが急増した現世代タイトルを入れると金方向を迫られる。
元凶はAIデータセンターの爆食い
問題の根本はゲーム業界の外にある。The Star(26/03/05)によれば、MetaやAmazonなどが急拡大するAIデータセンターのためにNANDフラッシュメモリを大量買い付けしており、TrendForceの調査では今四半期のNAND契約価格が前四半期比最大90%急騰すると予測されている。前四半期も30%以上上昇していたことを考えると、2段階にわたる価格急騰だ。
NotebookCheck(26/03/05)が伝えるように、Switch 2の12GB RAMのコストは2025年第4四半期に41%上昇し、NANDも8%値上がりした。本体価格は据え置きのまま($449.99)だが、ニンテンドーは1台売るごとに最大$50を失っている可能性があるという試算も出ており、価格改定のプレッシャーがかかり続けている。
microSD Expressカードという新たな「税金」
Switch 2のストレージを拡張するには、従来のmicroSDより高速なmicroSD Expressカードが必要だ。これがまた高い。512GBのTeamGroup製品は2025年後半に約$100だったが、今や$114.99に値上がりしている。1TBのLexar Play Proも以前は$190未満だったのが、現在は$219.99を超える水準にある。
ゲームタイトル自体も大型化が止まらない。Square EnixがSwitch 2向けに2026年6月発売予定の「ファイナルファンタジーVII リバース」は約102.5GBを要求するとされており、本体ストレージの約40%を一本で食い潰す。こうした巨大タイトルはゲームキーカード(GKC)形式での発売が増え、物理カードにはほとんどデータが入っておらず大量のダウンロードが必要という状況も生まれている。
ニンテンドーの対策と長期リスク
ニンテンドーは日本市場向けに、自社ブランドのmicroSD Expressカードを市場の半額程度で提供する対策を取っている。これはヨドバシカメラやビックカメラなど小売業者に利益の一部を譲ってもらう形で成立しているという。しかしこれはあくまで応急処置だ。
Pelham Smithers Associatesのアナリスト、Pelham Smithers氏はより長期的な懸念を示す。ストレージ障壁によってサードパーティのソフト販売が振るわなければ、デベロッパーがSwitch 2への投資を縮小するという悪循環が起きかねない。世界最速販売の記録を持つハードが、メモリ危機によってその勢いを失うというシナリオは、2024年まで誰も想定していなかったものだ。
参照ソース(噂の出どころ)
・Nintendo Switch 2 users buying fewer games because of AI storage crisis(Tom’s Hardware、26/03/05)
・Nintendo Switch 2 users face storage woes as memory crisis bites(The Star、26/03/05)
・Switch 2 game sales fall during memory shortage(NotebookCheck、26/03/05)



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