値上がりの本当の理由は「AI用メモリ」の争奪戦
Galaxy S26シリーズが2026年2月25日に発表され、3月11日に発売された。Galaxy S26が899ドル、S26+が1,099ドルと、前世代比でそれぞれ100ドルの値上げとなった。Samsungは「多くの革新を詰め込んだ結果だ」と説明したが、その言葉の裏にある本当の理由は、世界的なメモリ価格の高騰——通称”RAMageddon”にある。
SamsungのモバイルCOO Won-Joon ChoiはThe Vergeに対し、メモリ不足が価格引き上げに「重大な貢献」をしたと語っている。生成AIへの世界的な投資が加速するなか、データセンター向けHBM(高帯域メモリ)の需要が急増し、スマートフォン向けLPDDR5Xメモリの供給が逼迫した。その余波がそのまま製造コストへ転嫁されたかたちだ。
「値上げを認めない」Samsungの巧みな説明
Samsung AmericaのSVP Drew Blackardは値上げの正当性を問われ、「私たちは長い間、価格を維持してきた」と述べた。確かにGalaxy S26ではベースストレージが128GBから256GBに倍増しており、純粋な「同条件比較」では値上げ幅は縮小する。前世代の256GB版Galaxy S25は859.99ドルで、S26の899ドルとの差は約40ドルにとどまる。
ただしS26 Plusについてはこの論理は成立しない。256GBのS25 Plusが999.99ドルだったのに対し、S26 Plusは1,099ドルと純粋に100ドル高い。Samsung担当者は「RAMクライシスが原因か」との問いに「ノーコメント」と返答したという。(TechRadar)
Ultraだけ価格を据え置いた、戦略的な計算
興味深いのは、Galaxy S26 Ultraの価格が昨年と同じ1,299ドルに据え置かれた点だ。Ultraのユーザーはすでにプレミアム価格帯に慣れており、値上げへの抵抗が大きい。一方でSamsungの製造計画上、S26 Ultraは最も出荷優先度の高いモデルでもある。下位モデルのS26・S26+でコストを吸収しながら、Ultraの競争力を守るという構造が透けて見える。(Android Police)
皮肉なことに、Apple iPhone 17 Pro Maxは1,199ドルで、Galaxy S26 Ultraより100ドル安い。iPhoneとのコスト比較で不利になるとわかっていながら価格を据え置いたのは、Ultraの売上を最大化するための最低限の防衛線だったとも言える。
業界全体への波及は避けられない
IDCは2026年のスマートフォン世界出荷台数を13%減と予測しており、レノボ、Dell、ASUSも15〜20%の価格引き上げを示唆している。メモリ価格が安定するのは2027年中頃との見方が多く、それまでの間、各メーカーは「値上げ」か「スペック据え置き」かの二択を迫られ続ける。(Digital Trends)
NothingのCEO Carl Peiは早くからこの現象を「RAMクライシス」と名指しし、自社製品の値上がりもLinkedInで公言していた。スマートフォンの進化を支えてきたメモリの安定供給という前提が、AIブームによって崩れはじめている。今後フラグシップ機は、スペックと価格のせめぎあいをユーザーに提示し続けることになる。
参照ソース(噂の出どころ)
Samsung won’t blame Galaxy S26 price increase on the RAM crisis, but I will — TechRadar(26/02/28)
Samsung on Galaxy S26 and Galaxy S26 Plus $100 price hike — Tom’s Guide(26/02/25)
The Galaxy S26 and Pixel 10a prove 2026 will be messy for smartphone buyers — Android Police(26/03/09)
Samsung’s reason for Galaxy S26 price hike is a sign of bad things to come — Digital Trends(26/02/26)




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