2025年、Dellは大きな賭けに出た。長年のファンに愛されてきた「XPS」ブランドを廃止し、「Dell」「Dell Pro」「Dell Pro Max」という新しい命名スキームに一本化したのだ。しかし、結果は芳しくなかった。Appleをあからさまに意識したネーミングへの批判、そして実際の製品への不満が重なり、Dell自身が路線変更を余儀なくされた。2026年1月のCES 2026で、同社はXPSブランドの復活を宣言し、新設計のXPS 14とXPS 16を投入した。これは単なるリブランドではなく、設計思想を根本から見直した再出発だった。
世界最薄・最軽量の16インチノートという命題
Dell XPS 16(2026)のキャッチコピーは「世界最薄の16インチラップトップ」だ。本体の厚さはわずか14.6mm。これはApple MacBook Pro 16インチ(16.8mm)や前世代のXPS 16(18mm前後)と比較しても明確に薄い。重量は1.65kgスタートで、前世代から約400g以上の軽量化を実現している。CNCマシン加工のアルミニウムとGorilla Glass 3を組み合わせたシャーシは、剛性と質感を担保しながらこの薄さを達成した。
TechRadarのCES 2026ハンズオンでは「XPS 14とXPS 16の再設計は、私がXPSノートPCシリーズに抱えていた不満点の多くを払拭するものだった。特にファンクションキーとトラックパッドの修正だけでも、この2モデルを2026年最も試してみたいノートPCにするには十分だ」と高評価している。(26/01/05)
Intel Panther Lake搭載――18Aプロセスの恩恵
XPS 16(2026)の心臓部を担うのは、IntelのCore Ultra Series 3「Panther Lake」プロセッサだ。Intel 18Aノードで製造される初の量産CPUであり、CPUコア最大16基(フラッグシップのCore Ultra X9 388H)、最大5.1GHzのブーストクロックを誇る。内蔵GPUはXe3ベースのArc(12Xeコア)で、前世代のXe2比で50%以上のグラフィックス性能向上を謳っている。
利用可能なCPUラインナップはCore Ultra 5 325からCore Ultra X9 388Hまでの4グレード。熱設計電力(TDP)は、最適化モードで25W、パフォーマンスモードで35W、フルターボ時は65Wで動作する設計だ。冷却システムは前世代から刷新され、61%大型化・36%低騒音化を実現したデュアルファンが搭載されている。
WccftechはCES 2026の詳細レポートで「XPS 16はオプティマイズドモードで25W、パフォーマンスモードで35Wで動作する。内蔵IntelArcグラフィックスは12 XeコアのIntel最高性能の統合グラフィックスを特徴としている」と伝えた。(26/01/06)
ディスプレイ――3.2K Tandem OLEDが上位の選択肢
ディスプレイ構成は2種類。上位モデルには3.2K(3,200×2,000px)解像度のTandem OLED InfinityEdgeディスプレイが採用され、20〜120Hzの可変リフレッシュレートと「VESA DisplayHDR True Black 500」認証に対応する。Dolby Visionもサポートし、色域はDCI-P3 100%をカバーする。下位は2K(1,920×1,200px)のLCDで、1〜120Hzの可変リフレッシュレートが特徴だ。
Dellは2024年に「世界初のタンデムOLEDノートPC」を謳ったXPS 16を投入しており、2026年モデルはその技術を継承しつつ、さらに解像度・輝度・効率性を高めた次世代パネルを搭載している。特筆すべきはバッテリー持続時間で、2Kモデルで最大27時間のNetflixストリーミング、ローカル動画再生では40時間超を達成するというDellの主張は、Panther Lake世代のチップ効率が想像以上に高いことを示唆する。
デザイン刷新のポイント――ファンクションキーとトラックパッドの帰還
前世代のXPS 16(2025年モデル以前)で最大の不満として挙がっていたのが、物理ファンクションキーの廃止とハプティックトラックパッドの使い勝手だった。今回のXPS 16(2026)では物理ファンクションキーが復活し、新設計のゼロラティスキーボードと組み合わされた。トラックパッドも再設計され、ガラス製のシームレスなハプティックパッドが採用されている。
8MPのウェブカメラにはWindows Hello対応の顔認証機能が組み込まれており、接続性はThunderbolt 4(USB-C)×3、DisplayPort 2.1、Power Deliveryを3ポート全てで対応。Wi-Fi 7とBluetooth 5.4も標準対応だ。
価格と購入時期
XPS 16の販売は2026年1月6日にスタートしており、初期構成は1,849.99ドルから。その後2月に追加構成が投入され、より手頃なエントリーモデルも用意された。カラーはグラファイトが先行し、シマー(シルバー)は2026年内に追加予定。Ubuntu 24.04プリインストール版の計画はXPS 14側で言及されており、開発者向けの需要にも対応する姿勢が見られる。
WindowsCentralは「多くの人にとって、大型モデルへの150〜200ドル程度の価格差は無視できるもので、そのためほしいPCを選びやすくなっている」と評している。(26/02/07頃)
Dellがかつてのブランド力と失地を取り戻す一歩として、XPS 16(2026)は技術的な完成度と設計の誠実さを感じさせる仕上がりになっている。Panther LakeとTandem OLEDの組み合わせが実使用でどれほどの性能を見せるか、レビューが出そろう時期が待ち遠しい。
参照ソース(噂の出どころ)
Hands on: Dell XPS 14 2026 and XPS 16 2026 – TechRadar
Dell XPS Returns With Next-Gen XPS 16 & XPS 14 Laptops Powered By Intel Core Ultra Series 3 CPUs – Wccftech
Dell’s new XPS 16 and XPS 14 laptops announced at CES 2026 with Intel Panther Lake CPUs – TweakTown
Dell XPS 14 vs XPS 16 2026 comparison – Windows Central
This is XPS Now – Dell Technologies Blog




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