NVIDIAの次世代フラグシップGPU「GeForce RTX 5090 Ti」もしくは「RTX Titan Blackwell」の存在を示唆するプロトタイプが、Chiphellフォーラムに登場した。このエンジニアリングサンプルは2024年7月15日から21日にかけて製造されたもので、AICパートナーがカスタムモデルを設計するために使用した初期試作品とされる(Tom’s Hardware 25/01/21)。
最も注目すべきは、このプロトタイプがGB202シリコンをフル構成で搭載している点だ。通常のRTX 5090が21,760 CUDAコアを搭載するのに対し、このプロトタイプは24,576コアを実装しており、13%多い計算リソースを持つ(TweakTown 25/01/22)。
800WのTDPと2基の12V-2×6コネクター
このプロトタイプの最も衝撃的なスペックは、800WというTDP値だ。これはRTX 5090の575Wと比較して39%も高い消費電力となる(Tom’s Hardware 25/01/21)。所有者によれば、この電力供給のために2基の12V-2×6電源コネクターが使用されているという。
クロック速度についても、ベースクロックが2,100MHz、ブーストクロックが2,514MHzと、RTX 5090のそれぞれ2,017MHzと2,407MHzを上回っている。メモリ構成は32GBのGDDR7で変わらないが、メモリチップが32Gbpsとなり、メモリ帯域幅が2TB/sに達する。RTX 5090の28Gbpsチップと1.79TB/sの帯域幅を大きく上回る数値だ(Tom’s Hardware 25/01/21)。
2026年登場の可能性――ただし課題は山積
EnosTechが最初に報じたEEC(ユーラシア経済委員会)の登録情報によれば、NVIDIAは「RTX 5090 Ti SUPER」の2026年リリースを準備している可能性がある(HYPERPC)。これはNVIDIAの伝統的な「世代中期リフレッシュ」サイクルに沿ったもので、初期製品の性能を最適化し、欠点を修正するという位置づけになる。
業界アナリストは、このフルダイ仕様のカードが2026年に登場することで、NVIDIAが2027年のAMD RDNA 5ハイエンド投入まで市場支配を延長できると見ている(Indie Kings 25/12/24)。RTX 50シリーズのSuperモデルは2025年後半から2026年初頭に登場すると噂されているが、このフルダイプロトタイプは別個の超プレミアム製品として2026年に投入され、Rubin世代(RTX 60シリーズ)への橋渡し役を果たす可能性がある。
実現を阻む高いハードル
ただし、RTX 5090 Tiの市販化には多くの障壁が存在する。最大の問題は価格で、2,500ドル以上になる可能性が指摘されている(Indie Kings 25/12/24)。RTX 5090の1,999ドルという既に高額な価格設定を考えると、これは一般消費者にとって現実的とは言えない。
さらに、800Wという極端な消費電力は、冷却と電源供給の両面で深刻な課題となる。600W以上の消費電力を持つコンシューマー向けGPUをNVIDIA(あるいは他社)が実際にリリースするかは疑問視されている(Tom’s Hardware 25/01/21)。RTX 5090の575W TDPでさえ、既に多くのユーザーにとって電源や冷却の限界に近い。
地政学的要因も無視できない。米国と中国の緊張関係により、NVIDIAは最も強力なGPUを中国市場で販売できない。中国はこうした高価格GPUの最大市場の一つであり、この制約はRTX 5090 TiやRTX Titan Blackwellの商業的魅力を大きく損なう(Tom’s Hardware 25/01/21)。
過去の前例――RTX 4090 Tiの教訓
RTX 40シリーズでも、RTX 4090 TiやRTX Titan Adaの噂は存在した。実際にRTX 4090のプロトタイプが発見され分解されており、大型のブロースルー冷却システムと独特のPCB構成を持っていた。これはRTX 4090 Tiの冷却性能テストに使われた可能性があるが、結局市販化されることはなかった。
同様に、今回のRTX 5090プロトタイプも単なる実験段階に留まる可能性は十分にある。NVIDIAは市場の需要を見極めながら、フルダイ仕様GPUの製品化を判断するだろう。現時点では、プロトタイプの所有者がGeForce 570.12ドライバーを探しており、これがこのカードをサポートする唯一のドライバーと見られている(Tom’s Hardware 25/01/21)。
RTX 5090 Tiが2026年に本当に登場するかは、まだ誰にも分からない。しかし、800Wのモンスター級GPUという可能性だけで、PCエンスージアストたちの想像力を掻き立てるには十分だろう。
参照ソース
NVIDIA’s purported GeForce RTX 5090 Ti GPU: 24576 cores, monster 800W power, 32GB 32Gbps GDDR7 – TweakTown
RTX 5090 prototype allegedly has 24,576 CUDA cores and 800W TDP — two 16-pin connectors present | Tom’s Hardware
NVIDIA RTX 5090 Ti Rumors: Full GB202 Chip with 24,576 Cores and Extreme Power Could Emerge in 2026 – Indie Kings
NVIDIA RTX 5090 Ti SUPER Leaked: 2026 Release Date Rumors – HYPERPC





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