Metaの次世代VRヘッドセットをめぐる計画が大きく変化している。当初2026年に予定されていた「Quest 4」の発売は2027年以降へと延期され、さらに「Quest」というブランド名自体が廃止される可能性が浮上している。VR業界のベテランであるNima Zeighamiは、次期Metaヘッドセットは「Questとは呼ばれない」と投稿しており、同社が製品戦略の大幅な方向転換を図っていることを示唆している(Android Central、25/11/29)。

開発計画の大転換――超軽量モデルを優先

Metaは当初、「Pismo Low」と「Pismo High」というコードネームの2つのプロトタイプを開発していた。これらは従来型のQuest 4およびQuest 4Sとして2026年に登場する予定だった。しかし同社はこれらの計画を白紙に戻し、代わりに「Puffin」「Phoenix」「Loma」といったコードネームで呼ばれる超軽量ヘッドセットの開発を優先している(Tom’s Guide、25/12/08)。

Business InsiderとUploadVRが入手した内部メモによれば、この超軽量ヘッドセットの発売は2027年前半へと延期された。Reality Labs VPのMaher Sabaは、「多くのチームが計画とスケジュールを調整する必要がある」と述べ、「タイムラインの延長は、より多くの機能を追加したり、追加作業を引き受けるための機会ではない」と強調している(UploadVR、25/12/08)。

外部パック方式で実現する軽量化

新ヘッドセットの最大の特徴は、計算処理とバッテリーを含む外部「パック」を採用する点だ。これによりヘッドセット本体を劇的に軽量化できる。Quest 3が515グラムであるのに対し、PC接続型のBigscreen Beyond 2はわずか107グラムしかない。Metaの新デバイスも同様のアプローチを採用することで、長時間の装着でも快適性を維持できる(Next Reality、25/11/25)。

映画監督のJames CameronがMeta Connectで述べたコメントも、この方向性を裏付けている。彼は「2026年にMetaから極めて小型で軽量なスタンドアロンXRヘッドセットが登場することを期待している」と発言しており、Metaが主要な業界パートナーにこの戦略を伝えていることを示している(Next Reality、25/11/25)。

コントローラーレス設計と高度なトラッキング

最も注目すべき噂の一つは、新ヘッドセットが従来のTouchコントローラーを同梱しない可能性だ。代わりにハンドトラッキングと視線追跡のみで操作する設計となり、VRインタラクションのパラダイムシフトを引き起こす可能性がある。アイトラッキングとフェイストラッキングは標準搭載される見込みで、Galaxy XR、Apple Vision Pro、廃止されたMeta Quest Proと同等の機能を持つという(Next Reality、25/11/25)。

ディスプレイ面では、Quest 3よりも高いピクセル密度(PPD)を実現するものの、Galaxy XRやApple Vision Proほどの高解像度ではないとされる。Metaの試作機「Holocake 2」は、55 PPDという超高解像度(60 PPDが網膜解像度とされる)と超薄型プロファイルを実現していた。この技術が新ヘッドセットにどの程度反映されるかが注目される(Android Central、25/11/29)。

価格戦略とゲーミング重視の従来型Quest

超軽量ヘッドセットの価格は最大800ドルと予想されており、3,500ドルのApple Vision Proや1,800ドルのGalaxy XRを大幅に下回る。Metaは高度な機能を備えつつも手の届く価格設定にすることで、主流採用を狙っている(Next Reality、25/11/25)。

一方で、従来型のゲーミング重視ヘッドセットの開発も開始されている。内部メモでは、このデバイスがQuest 3に対する「大規模なアップグレード」となり、「ユニットエコノミクスを大幅に改善する」と述べられている。ただし、この従来型モデルの発売は2027年後半から2028年になる可能性が高い(PC Gamer、25/12/08)。

Horizon OSエコシステムの拡大

MetaはQuestを単なるハードウェア製品からプラットフォームへと転換しようとしている。2024年4月に発表されたMeta Horizon OSのオープン化により、Asus ROG、Lenovo、Microsoftといったサードパーティメーカーが独自のヘッドセットを開発している。Asus ROGはプレミアムなゲーミングヘッドセットを、Lenovoは生産性と学習に焦点を当てたデバイスを計画している。

Meta CTOのAndrew Bosworthは、「各世代の成功を取り入れ、それを軽量化と小型化に注ぎ込む」というビジョンを掲げている。これはMetaが、段階的なスペック向上よりも快適性と装着性を重視する方針転換を示している。VRの大衆化を阻む最大の障壁が重量問題であると認識した結果だろう(Next Reality、25/11/25)。

参照ソース

Fresh Meta Quest 4 rumors purport high-end specs, a much thinner and lighter design, a potential price, and the death of the Quest namesake – Android Central

Meta Quest 4 reportedly in the works — and it will be a ‘large upgrade’ – Tom’s Guide

Meta Delays Ultralight Headset, Starts Work On Gaming-Focused Quest 4 – UploadVR

Meta Quest 4 May Ditch Controllers for $800 in 2026 – Next Reality

Good news and good news: Meta is reportedly hard at work on the Quest 4 and has delayed its mixed reality glasses to 2027 – PC Gamer

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