Valveが水面下で開発を進めていると噂される新型VRヘッドセット「Steam Frame」。公式発表は一切ないものの、特許情報や業界関係者の証言、開発者向けコードの断片などから、その輪郭が少しずつ浮かび上がってきている。現行のIndexとは異なる方向性が示唆されており、VR市場に再び大きな動きをもたらす存在になる可能性がある。
「Steam Frame」という名称が示すもの
最初に注目を集めたのは、Valve関連のコードリポジトリや内部資料内で確認された「Steam Frame」という呼称だ。これは製品名というより開発コードネームと見られているが、Steamプラットフォームとの深い統合を前提とした設計思想を連想させる。業界では、PC接続前提だったIndexから一歩進み、より柔軟な利用形態を想定しているとの見方が強い。
この名称について海外メディアは、SteamOSやSteam Deckの流れを汲む戦略的なネーミングだと分析しているとのことです。(Road to VR 25/09/02)
スタンドアロン化とSoC採用の可能性
複数の噂を総合すると、Steam Frameはスタンドアロン型VRヘッドセットになる可能性が高い。これはMeta Questシリーズと正面から競合する構成で、Qualcomm系のVR向けSoC、もしくはValveが最適化したカスタムチップの採用が取り沙汰されている。特にSteam Deckで培った電力管理や冷却設計のノウハウが活かされるのではないかと考えられている。
スタンドアロンでありながら、PCと無線接続して高品質なSteamVR体験も提供するハイブリッド構成になるとの指摘もある。これについては、Valveが実験的に開発してきた無線ストリーミング技術の延長線上にあるという見解が示されているとのことです。(UploadVR 25/08/28)
視線追跡と次世代コントローラー
ハードウェア面では、視線追跡(アイトラッキング)の搭載がほぼ確実視されている。これによりフォビエーテッドレンダリングが可能となり、処理負荷を抑えつつ高解像度表示を実現できる。さらに、過去に特許が確認された指装着型コントローラーや、Index Controllerを発展させた新型入力デバイスの存在も噂されている。
これらの技術は単なる没入感向上にとどまらず、ソーシャルVRやリモート作業用途まで視野に入れたものだと分析されているとのことです。(Wccftech 25/09/05)
発売時期とValveの沈黙
気になる発売時期については、2025年後半から2026年にかけてという幅広い予測が存在する。Valveは過去にも、完成度を最優先して長期間沈黙を保つ姿勢を貫いてきた。Indexも例外ではなく、発表直前まで具体的な情報はほとんど出ていなかった。
今回も同様に、正式発表は突然行われる可能性が高い。Steam Deck OLEDの発表手法を踏襲するなら、予告なしの公開という展開も十分考えられる。
VR市場に与えるインパクト
もしSteam Frameが噂通りの仕様で登場すれば、PC VRとスタンドアロンVRの垣根を大きく揺るがす存在になる。Valveはハード単体の販売よりも、Steamエコシステム全体の拡張を重視する企業だ。その意味で、このデバイスは「次のSteam体験」を提示するための重要なピースと言える。
現時点ではあくまで噂の域を出ないが、断片的な情報が一つの方向性を示しているのは確かだ。今後数か月で、さらに具体的なリークや技術的手がかりが出てくることが期待される。
参照ソース(噂の出どころ)
Valve Standalone VR Headset Rumors – UploadVR
Valve ‘Steam Frame’ Headset Speculation – Road to VR
Valve Next-Gen VR Headset Details Leak – Wccftech




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